サイエンス

2024.06.16 17:00

カップルが直面する「欲求のギャップ」、効果的に対応する2つの方法

さらに、必ずしも肉体的接触がなくても、性行為以外の活動や趣味を共にすることで、親密さを保ち、自分の欲求を満たすことが可能であることがわかった、と述べる研究参加者たちもいる。

愛情の食い違いに対しては、ペットやぬいぐるみをかわいがるなど、人間以外のものが慰めになる場合がある。

「役に立たない戦略」は要注意

戦略の中には、あまり効果がなく、有害なものさえある。こうした戦略には、食い違いの存在を無視する、「放っておいても解決する」と期待することなどが含まれる。

性的欲求の食い違いがある成人の約25%、愛情欲求の食い違いがある成人の19%が、「何も対策をしない」と報告している。こうした在り方は、困惑や、欲求の頻繁な抑制、薬物使用といったネガティブな感情的対処メカニズムにつながる可能性がある。

カップルの中には、性行為や愛情表現の主導権を、欲求の高い方、あるいは低い方に完全に委ねてしまう人たちがいるが、これは、時間の経過とともにアンバランスや不満を生みかねない。

さらに、罪悪感や、相手を喜ばせなければという思い、あるいはプレッシャーを感じて、自分の欲求がないのに親密な行為に及ぶことは、自身のウェルビーイングにとって非常に有害だ。

こうした問題には、率直に取り組むことが重要であり、親密な交流については、パートナー双方が意欲と熱意を感じることが大切だ。

研究者たちは、こう提案している。「性的欲求が食い違い、2人の問題を解決することが難しい状態が続いているカップルは、マインドフルネスのテクニックを探求することが有益かもしれない。今ここに存在する能力を向上させることで、自分のニーズや欲求を伝えたり、その気がないことを伝えたりする能力が向上する可能性がある」

このような食い違いを共に解決しようとする意欲と忍耐が、「パートナー双方にとってうまくいく解決策」を見つける鍵になる。欲求の食い違いに対処するには、オープンなコミュニケーション、互いの視点の受容、関係を肯定するような代替行動を探る意欲、そして、時には専門家の指導が必要となる。

こうした問題に、共感をもって、また問題を放置せずむしろ先回りして取り組むことで、カップルは、欲求のギャップに橋をかけ、健康的で回復力のある関係を維持することができるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=ガリレオ

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