北米

2024.06.13 09:30

米軍がレーザー兵器でドローンを撃墜し始めたもよう AIで識別、弱点見抜く

低コストで無限に撃てる

低コストの攻撃ドローンは現代の戦争で現実のものになった。ウクライナの戦場で多用されているFPVレーシングドローンから、フーシ派やロシアが用いているイラン設計の「シャヘド」まで、こうしたドローンは、少数のミサイルに対処する目的で設計された防空システムを圧倒している。しかも、安価なドローンは非国家主体も含め、誰でも入手できる。一方、朝鮮戦争以来、航空優勢を頼りにしてきた米軍は、空中からの脅威に対する準備が十分とは言えない。

無限に撃つことができ、1発当たりのコストも低いレーザー兵器は、この脅威に対抗するのにうってつけの装備だ。ただしマネーメーカーは、レーザー兵器はそれだけでは完全な防御にならず、あくまで重層的で統合された防御システムの一部を構成するものだとも強調している。具体的に言えば、センサーやジャマー(電波妨害装置)、指揮統制システム、さらにミサイルのようなほかのドローン撃墜手段と組み合わされることになる。ちなみに、ブルーヘイローはこれらの技術も開発している

今後、ドローンとレーザーの遭遇が頻繁に起こるようになれば、レーザー兵器の有効性についてもっと知ることができるようになりそうだ。米軍もいつか、レーザー兵器によるドローンの初撃墜の全容を明らかにしてくれるかもしれない。いずれにせよ、ウクライナだけで今年200万機のドローン製造が計画されるなど、戦場にドローンの大群が姿を見せようとするなか、戦術レーザー兵器が地上部隊の生存にとって重要なものになっていく可能性は高い。レーザー兵器がようやく実戦で役に立ち始めたらしいのは朗報だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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