宇宙

2024.06.12 18:00

惑星系の形成理論を揺るがす新説、「星間媒質との関連」が鍵に

原始惑星系円盤への物質供給

星間媒質の物質は、継続的に円盤に供給されるとともに、(運動エネルギーを与えることで)円盤を「かき混ぜる」可能性がある。その結果として円盤内に生じる乱流によって、塵がどのように成長して惑星を形成するかが変化する可能性があると、ウィンターは説明する。形成される惑星の種類は、主星の周囲にある星間媒質の密度によって決まる可能性が高いようだと、ウィンターは続ける。

このように、主星の周辺環境が分子雲の崩壊後も引き続き重要になるため、惑星形成の見方そのものが変わったと、ウィンターは指摘している。塵から惑星が成長するのを促進するプロセスは、すべてガスの流入による影響を受ける可能性があり、これによって惑星の形成過程が外部環境に直接的に関連付けられると、ウィンターは述べている。



物質の流入

原始惑星系円盤への物質流入は、複数の若い惑星系で起きていると推察されており、流入が十分高速であれば、重力不安定性を引き起こす可能性がある。これは、物質が急速に崩壊収縮して惑星や小型の恒星が形成されることを意味すると、ウィンターは説明する。

ウィンターによると、この影響の重要度は恒星が古くなるほど小さくなる。その主な理由は、恒星が高密度の星形成領域から「切り離される」からだという。太陽のような成熟した恒星が絶えず新しい物質を取り込んでいるわけではないのは、そのためだと、ウィンターは指摘する。

星間空間のガスと塵が、大きな違いをもたらしているかもしれない。

おそらく、流入するガスが多いか少ないかが、惑星系の間に見られる大きな差異につながっているのかもしれないと、ウィンターは述べている。

結論

星間媒質が円盤の進化を後押ししているとすると、これは、孤立した恒星円盤系に作用するプロセスに主に重点を置いている原始惑星系円盤理論に対する著しい方向転換を示していると、ウィンターは指摘する。円盤の進化に関するこの新しい見方によって生じる影響は広範囲におよぶもので、惑星形成のあらゆる段階に関連していると、ウィンターは話している。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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