スペースXは、米連邦航空局(FAA)の承認を待って、早ければ6日にスターシップと「Super Heavy(スーパーヘビー)」と名付けられたブースター(推進装置)を打ち上げると発表した。同社は、打ち上げの約30分前から公式サイトやX(旧ツイッター)のアカウントで打ち上げの様子をWEB配信すると述べている。
スターシップはこれまでに開発された中で最も強力で巨大な全長120メートルのロケットだ。このロケットは、マスクとスペースXが人類を月や火星、さらにはその先へと運ぶという野望を実現するためのものであり、NASAが米国人を月に再び送り込む計画においても、このロケットが重要な役割を果たす予定だ。
同社のビジョンを実現し、宇宙経済をより広範囲に発展させる上で重要なのが、ロケットの「再利用」だ。これまでのロケットは、主に使い捨てだったことが原因で、莫大な費用がかかっていた。マスクのスペースXは、この状況を変える最前線にあり、小型ロケットで既にこの分野での成功を収めている。そして、スペースXが「長期間の惑星間飛行で最大100人を輸送できる」と述べたスターシップでこれを再現し、衛星の運搬や「月面基地の開発」の実現を目指している。
これまでの3回のスターシップの飛行試験は、いずれも炎上または墜落で終わっていた。最初の試験は、打ち上げの数秒後に爆発し、発射台が損傷した。2回目の試験では、分離直後に爆発し、同社はこれを「予定外の急速な分解」と表現した。3回目の試験では、ロケットがインド洋に墜落した。しかし、スペースXはこれらの試験を成功と評価し、そこから学んだことを基にロケットを改善している。
マスクは、Xの投稿で、スターシップの4回目の試験飛行の主な目的は「大気圏再突入時の最大空力加熱を乗り切る」ことだと述べ、「完全に再使用可能なヒートシールドの開発に成功した人はこれまでいない」ことに注目すべきだと語った。
マスクは、大気圏を通って地球に戻ってくるロケットを保護するために不可欠な「再利用可能な大気圏再突入用のヒートシールド」の開発はこれまで行われておらず、それがスペースXにとって「最大の残された課題」だと説明した。彼は、同社が「並外れた努力」によって、スターシップの再利用率を100%近くまで高めることができると述べている。
(forbes.com 原文)