ノルウェー交通経済研究所が今年初めに発表した、速度制限に関する報告書でこうした結果がまとめられている。ベルギー・ブリュッセルに本部を置く独立非営利団体の欧州運輸安全評議会(ETSC)のレポートによると、ノルウェー交通経済研究所の報告書は、欧州の6都市と、最近都市部での一般的な制限速度を時速30キロメートルにしたスペインの状況をまとめたものだ。
それによると、フランスのグルノーブルやスペインのビルバオなどでは、走行速度や交通事故の減少、制限速度の遵守の向上に加えて、大気汚染が減少し、ブリュッセルでは騒音公害が減った。研究者らは、これらの都市の取り組みは他の都市が同様の措置を検討する際の参考になると指摘している。
報告書の発表後にイタリアのボローニャ市が市全体で時速30キロメートル制限を導入したところ、わずか2週間で交通事故が21%減少したという。また、昨年9月に都市部の走行速度を時速32キロメートルに制限した英国のウェールズでは、車の速度が全体的に低下したというデータが得られた。
3年前に時速30キロメートル制限を導入したブリュッセルでは、騒音レベルの低下に加えて、市中心部の交通量を減らす取り組みにより事故と公害が激減したことが報告されている。
「ペンタゴン」地区として知られるブリュッセルの中心部は、新しい交通計画の導入後に「大きな変貌」を遂げたとETSCは述べている。地元紙Bruzzに掲載されたバート・ドント副市長(モビリティ担当)のインタビューによると、ブリュッセルでは車の交通量が減少し、自転車の利用が増加したという。
自動車交通量と事故の件数は20%減少し、自転車利用は約20%増加した。
新しい交通計画の導入で市内の環状道路の交通量が増えるのではないかと懸念されていたにもかかわらず、データによると、走行する車の台数や所要時間はほとんど変わらなかった。
(forbes.com 原文)