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2024.06.03 11:00

【米国株ウォッチ】AIのパイオニア、IBMの企業戦略

IBMは、アマゾンのAWS、メタ、マイクロソフト、セールスフォース、SAPなどと提携し、AI関連ツールの市場規模全体を拡大するための、より協力的なアプローチに注力している。このオープンモデルにより、IBMはより多くのビジネスチャンスを獲得し、導入するIT機器やプラットフォームに関係なく、より多くの顧客にアプローチできる。IBMはまた、AIの生産的な利用法として現在注目されている、AIによる支援機能を備えたプログラミングツールの展開にも注力している。

株価パフォーマンス

生成AIを取り巻く関心の結果、IBMは2021年1月上旬の125ドルの水準から現在170ドル前後まで35%の上昇を見せたのに対し、S&P500種株価指数はこの約3年間で約40%上昇した。IBMは過去3年間を通して値上がりを続けた数少ない銘柄の一つだが、それでも一貫して市場を打ち負かすには十分ではなかった。IBMの2021年のリターンは6%、2022年は5%、2023年は16%だった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、IBMは2021年と2023年にS&P500をアンダーパフォームした。

結論

IBMの終値は米国時間5月30日現在、165.63ドルで、2024年の市場予想利益の17倍近くで取引されている。IBMの成長率は精彩を欠いているが、IBMはこれまでにレガシー事業を売却し、クラウドコンピューティング、AI、オートメーションなどの中核分野に注力していることを考えると、これは公正な評価であると考える。IBMはまた、利益率の高いソフトウェア製品のポートフォリオを強化するために中規模の買収を行っている。私たちはIBMの目標株価を現在の市場価格をやや上回る1株あたり180ドルとしている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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