創業当初からのミッション
ロボット工学は、OpenAIの創業当初からのミッションの柱であり、共同創業者のウォイチェフ・ザレンバは当初、「汎用ロボット(general purpose robot)」の開発を目指すチームを監督していた。また、2019年に同社の研究チームは、人間の手のようなロボットハンドでルービックキューブの解法を学習するシステムの論文を発表し、この技術がさまざまなタスクを実行するロボットシステムの訓練に向けた基礎的なステップだと述べていた。しかし、OpenAIは2020年10月に「トレーニングデータの不足」を理由にロボットの取り組みを断念した。ザレンバは、その翌年のインタビューで、「チームの解散の決断は、私にとって非常に辛いものだった。しかし、実はそれが会社にとって最善だということに気づいた」と述べていた。
OpenAIは、最終的にロボット工学チームを他のプロジェクトに再配置した。「AIとその能力の急速な進歩により、人間のフィードバックを用いた強化学習などの他のアプローチの方が、より速い進歩につながるということがわかった」と、同社は当時の声明で述べていた。実際、人間のフィードバックを用いた強化学習の進歩は、同社のChatGPTのリリースから始まったAIブームを後押しすることになった。
OpenAIでロボット開発を手掛けていたメンバーの一部は現在、同社で別の部門に残っている。例えば、ザレンバは同社の主力製品のGPTモデルの開発をリードし、ウェリンダーは、プロダクトとパートナーシップを統括している。さらに、ボブ・マクグルーは研究部門の副社長で、リリアン・ウェンは安全システムの部門長で同社が新たに設立した安全委員会のメンバーでもある。
(forbes.com 原文)