欧州

2024.05.30 15:00

スウェーデン、ウクライナに早期警戒機をサプライズ供与 運用は要工夫

タイ空軍のサーブ340早期警戒機。2023年3月撮影(Bluebearwing / Shutterstock.com)

R-37Mで武装したロシア軍機がいるために、ウクライナ軍の戦闘機のパイロットが任務を断念し、退避したことは何度もある。注意すべきなのは、鈍重なサーブ340AEWは回避行動もとりにくいという点だ。
advertisement

早期警戒機はそもそも隠れることができない。早期警戒機は基本的にレーダーのプラットフォームだからだ。レーダーを切っているときは、本来の役目を果たしていないということになる。しかしレーダーを照射している間は、探知しているだけでなく、自機が探知されることにもなる。サーブ340AEWが飛び立つときは常に、ロシア側に捕捉されていると考えるべきだろう。

米空軍が早期警戒任務を早期警戒機から衛星に移しつつあるのも、理由のないことではないのだ。

早期警戒機が狙われやすいからといって、ウクライナ空軍がその無償供与を断るはずもない。とはいえ、ウクライナはサーブ340AEWをすぐに失うのを避けるために、ロシア軍のミサイル攻撃に遭うリスクを軽減する方法を考え出す必要があるだろう。
advertisement

考えられるのは、たとえば▽あまり頻繁には飛行させず、予測がつかないような運用をする▽レーダーの起動をできるだけ遅くする▽飛行エリアを最も安全なウクライナ西部のポーランドとの国境付近に限定する──といった方法だ。

ウクライナはポーランドを説得して、ポーランドの空域でサーブ340AEWを飛行させてもらうという手もあるかもしれない。その場合、ロシアは攻撃をためらうとみられるからだ。実際、NATOの偵察機は毎日、国境のポーランド側を飛行してロシア軍に関する情報を収集し、ウクライナ側に伝えている。

ポーランド空軍もサーブ340AEWを運用しているので、ウクライナ空軍はポーランドに保守整備の面でも支援を期待できるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事