マネー

2024.05.18 11:00

米国の若者、3分の1が「ホームレスになるかも」と危惧

AIの台頭や気候変動も、家計の安定に影を落としている。家計に対する不安材料としてAIを挙げた人は39%、気候変動を挙げた人は42%だった。

「世界的な紛争、AI、気候変動のせいで、私たちは不透明感や不安定さを感じる時代を生きている。これらの問題はありとあらゆる方面から襲いかかってきており、人々の不安が増すのは当然の流れだ」とカーナーは述べている。

エイコーンズの調査は、不透明感の上昇を指摘する一方で、幼いうちから将来的な家計の安定について金融教育を施し、マネーリテラシーを高めることの重要性についても指摘している。調査に回答した米国人の3分の2が、「早い段階で金融教育をもっと受けていたら、暮らし向きはいまよりラクになっていただろう」と回答した。また、エイコーンズのサービスを利用している人や、同種のツールやファイナンシャルアドバイザーを活用した人は、より広範な調査回答者と比べて、将来的な家計についてずっと楽観視している。

「子どものころにマネーリテラシー教育も受けたことが一度もない」と答えた人は23%と、ほぼ4分の1だった。また、マネーリテラシー教育をあまり受けてこなかった人のうち、「子どものころに金融教育をもっと受けていたら、暮らし向きはいまよりラクだっただろう」と答えた人は、3分の2にあたる66%だった。

世代別にみると、Z世代(72%)とミレニアル世代(75%)の方がそう考える傾向がかなり高い。「マネーリテラシー教育を受けた経験がある」と回答した割合は、この2つの世代の方が上の世代より高かったことを考えると、とりわけ興味深い。

マネーリテラシー教育は、人に力を与えるという意味で重要だとカーナーは考えている。「学校で教えてもらえないため、大半の大人は、家計管理に必要な基礎知識を持っていない」

だからこそエイコーンズでは、教育とアドバイスに力を入れているのだという。「エイコーンズは、金銭的な決断を下す段階で教育することを試みている。そうすれば利用者は、アクティブラーニングというかたちで学ぶことができる」

エイコーンズのリポートによると、家計をめぐるこうした不安は、今後も引き続き影を落としそうだ。同調査では、「来年はいまより家計が安定すると思う」と答えた人はわずか35%で、「来年も現状と変わらないと思う」と答えた人は44%と最も多かった。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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