働き方

2024.05.19 15:00

世界で活躍するアーティストふたりが「国際的評価」よりも大切にしたいこと

藤井:パッションは、才能や結果につながっていなくてもいいんですよね。それを追い求める過程で自分を知っていく。失敗したらもう一度やってみて、自分のできることと、やりたいことのバランスをとっていく繰り返しなのではないかと思います。

堤さんと私は同世代の子どもがいるのですが、彼らが何をどのようにパッションにつなげていくのかというのは、社会の変化も含めて私たちが一緒に学んでサポートしていけたらいいな、と思います。プロセスを飛び越えて結果を出すコンピュータを、どうやって人間は消化していくのだろう、といつも考えるんですが、もう後戻りはできない。そういったテクノロジーの進化や社会変化もひっくるめて「旅」と考えて取り込んで、想像性を伸ばしていければいいですね。


堤 大介◎東京都生まれ。18歳で渡米し、1998年ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツを卒業。ピクサーなどでハリウッド映画を手がけたのち、14年に「トンコハウス」を設立し、『ダム・キーパー』(アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート)や『ONI〜神々山のおなり』(アニー賞作品賞・ベスト・プロダクション・デザイン賞、エミー賞ベスト・プロダクション・デザイン賞、ベスト・セット・デザイン賞、ベスト・カラー・デザイン賞)などの監督を務める。

藤井はるか◎東京藝術大学、ジュリアード音楽院、マネス音楽院を卒業後、世界各地でソロ、室内楽を中心とした活動を展開。ヨーヨー・マ創立シルクロード・アンサンブルのコアメンバーとしても活動、自作品「しんがしうた」を収録したアルバムは2016年グラミー賞を受賞。サンフランシスコ音楽院打楽器科講師、ジュリアード音楽院打楽器夏期講習講師。6月29日(土)には藤井はるかと藤井里佳のパーカッションデュオ「UTARI」の第4回日本公演をベルサール虎ノ門で開催。

構成=岩坪文子 写真=キャロリン・フォン

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年5月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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