ビジネス

2024.04.17

テック人材が集まる米都市はどこ? 起業の拠点、今選ぶなら

Alexander Spatari/Getty Images

IT大手や新興テック企業の多くは米カリフォルニア州のサンフランシスコ・ベイエリアに立地し、特にシリコンバレーの中心地とされるメンローパークやパロアルトを拠点としている。しかし、米ベンチャーキャピタル(VC)のシグナルファイアがまとめた最新報告書『State of Talent Report』によると、テック業界を取り巻く環境の変化、とりわけパンデミック下で人材の移転が進んだことによって、起業家やスタートアップには新たな課題が突きつけられ、同時に新たな機会も生まれているようだ。

移動するテック人材

テック業界では分散化が進んでおり、全米に新たなITハブが出現しつつある。テック人材プールの地理的進化の背景には、リモートワーク、生活費の高騰、従来の拠点地域にとらわれないテック業界の発展を後押しする米政府方針などがある。

テキサス州オースティンは、IT大手の従業員数が2019年以降に44%増と全米で最も伸びた都市だ。メタ、グーグル、オラクル、テスラ、スナップ、アップルといった大企業の誘致に成功し、本社移転や拠点拡大の動きが近年相次いでいる。

VCが支援するスタートアップの従業員数に関しても、テキサス州はオースティンが23%増で1位、ダラスが19%増で3位と、増加率トップ3のうち2都市を擁する。2位は20%増のワシントン州シアトルだが、大企業から新興企業への人材移動が増加分の多くを占めており、IT大手の人材増は6%にとどまった。
次ページ > AI人材の多さで独り勝ちの都市は

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事