政治

2024.04.17 08:00

シンガポールのシェンロン首相が退任、20年の長期政権に終止符

シンガポールのリー・シェンロン首相(Photo by Asanka Ratnayake/Getty Images)

シンガポールのリー・シェンロン首相(Photo by Asanka Ratnayake/Getty Images)

シンガポールのリー・シェンロン首相は米国時間4月15日、20年にわたる首相の座を退くことを表明し、ローレンス・ウォン副首相を後任として指名した。財務相でもある51歳のウォンは、1965年の独立以来4人目の同国の首相となる。

首相府の声明によると、与党議員の支持を受けるウォンは、5月15日に新首相に就任する。

リー首相は、フェイスブックの投稿で、「すべてのシンガポール国民に、ローレンスと彼のチームを全面的に支援し、シンガポールの明るい未来を創造するために彼らとともに働くようお願いしたい」と述べた。

シンガポールは、リー首相の指揮下でより活気あるグローバル金融ハブへと変貌を遂げ、昨年12月現在で約1400のファミリーオフィスが拠点を構える世界最大級の資産管理センターとなった。この都市国家は、多国籍企業の地域オフィスや製造拠点としても魅力的な場所であり続けている。

リー首相率いる人民行動党はここ数年、指導者の交代の準備を進めてきたが、パンデミックによりそのプロセスが中断されていた。1984年に国会議員に初当選したリー首相は、2004年に首相に就任した。彼の亡き父で「建国の父」とされるリー・クアンユーは1959年から1990年まで首相を務めていた。

新首相に就任するウォンは、フェイスブックの投稿で、「私は謙虚さと深い義務感を持って責任を引受け、この仕事に全力を尽くすことを誓います。私たちは、ともにすべてのシンガポール人のために輝く未来を築くことができるのです」と語った。

ウォンは、世界がグローバル貿易の新時代に突入する中、シンガポールという国家が常に自らを改革し、世界とのつながりを保ち続けることを目指していると述べた。

彼は、2022年にシンガポールで開催されたフォーブス・グローバルCEO会議のキーノートで、「私たちは、今の状況を当然のことだは思っていません。私たちは常に、誰かが私たちの地位を脅かすことを危惧しているのです」と語っていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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