メルボルンで開催中のASEAN(東南アジア諸国連合)サミットで記者団の取材に応じたリー首相は、政府がスウィフトに対して「一定のインセンティブ」を提供したことを認めたが、金額については明らかにしなかった。
リー首相は、政府機関がテイラー・スウィフトのシンガポール公演を「東南アジアで唯一の公演にするよう交渉した」と述べた。首相はこの交渉が「大いに成功した」と述べ、ASEANの他の国に対する「非友好的な」ジェスチャーになるとは考えていないと語った。
リー首相はまた、もし政府がこの取り引きを提案しなかった場合でも「スウィフトが他の東南アジアの国で公演を行っていたかどうかはわからない」と付け加えた。同首相の発言は、シンガポールのエドウィン・トン文化相が4日に、政府がスウィフトに「1回の公演につき200万ドルから300万ドルを支払っていた」というメディアの憶測を否定した後のことだ。
トン文化相は現地メディアに対し、実際の数字は「報じられているほと高くはない」と述べ、ツアー全体に支払われた金額が200万〜300万ドル(約4億5000万円)程度だった可能性を示唆した。
フィリピンの下院歳入・金融委員会のジョーイ・サルセダ委員長は先週、スウィフトとシンガポール政府の取り引きが「良き隣人のすることではない」と主張し、外務省に対応を促した。「シンガポール政府は、スウィフトの公演を独占するために300万ドルを支払ったとされている」と彼は述べていた。
「1公演あたり200万〜300万ドル」という金額は先月、タイのセター首相が「シンガポールが独占契約の見返りとして1公演につき最大300万ドルを支払った」との見方を示した際に初めて浮上していた。
スウィフトは2日から6日かけてシンガポールで6公演を予定しており、36万人が来場すると予想されている。
(forbes.com 原文)