米国時間4月5日現在、グーグルの株価は年初比で10%上昇している。これはナスダック指数の10%の上昇に匹敵する一方で、エヌビディア(83%高)やメタ・プラットフォームズ(52%高)など、他の銘柄からは遅れをとっている。
先日、グーグルの大規模言語モデルを支える技術を発明した社員が、みずからの会社を立ち上げるために同社を退社した。そうした出来事を含め、同社は生成AIビジネスの収益化に苦労している印象だ。
また、負債を差し引いても980億ドル(約14兆円)という多額のキャッシュを持つ同社であるが、その潤沢な資金を活用した成長投資は空回りしているように見える。
先日ロイターが報じたように、グーグルはAIを活用した検索を有料化するのだろうか? あるいは、マサチューセッツ州に本社を置くマーケティング・ソフトウェア会社、HubSpot(ハブスポット)を買収することで、広告市場のシェア拡大を狙うのだろうか?
私の推測では、そのどちらも実現せず、グーグルは収益の伸びを加速させるのに苦労することになるだろう。AIを搭載した検索に対して消費者に課金することは可能だが、多くの人が対価を払ってまでそのサービスを利用するとは思えない。また、ハブスポットの買収に関しても、米国政府による独占禁止法違反の取り締まりによって実現しない可能性もある。
期待はずれの第4四半期報告書
グーグルの親会社であるアルファベットは、その名前に相応しくない。というのも、アルファベットという名前には、同社の株価が市場を圧倒する投資リターン(金融業界がアルファと呼ぶもの)をもたらすという意味が込められているからだ。ロイターによれば、投資家がアルファベットに失望した理由は2つある。1つ目は、2023年第4四半期における広告事業の売上が予想を下回ったこと、そして2つ目は、2024年に計画された「AIを強化するための」サーバーやその他のテクノロジーへの支出額が大幅に増加したことだ。