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2024.04.09 16:00

グーグル株、期待外れの決算で株価の勢い欠く 買収報道への反応も鈍い

安井克至
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以下で、その決算発表における重要なデータをまとめる。

・2023年第4四半期の売上高:863億ドル(13.5%増)、市場予想を10億ドル上回る
・2023年第4四半期の広告収入:655 億ドル(11%増)、市場予想を約5億ドル下回る
・2023年第4四半期のGoogle Cloud事業の売上:92億ドル(25.7%増)だが、前年同期の32%増より鈍化。アナリスト予想を3億ドル上回る
・2023年第4四半期の資本支出:110億ドル(45%増)。アルファベットCFOのルース・ポラットは、資本支出額が「2023年よりも2024年の方が顕著に大きくなる」と述べた

一方で、FRBが予想より早く利下げに踏み切れば、グーグルの期待外れの広告収入は逆転する可能性もある。Investing.comのアナリスト、トーマス・モンテイロは、「アルファベットの期待外れの広告収入は、世界中の企業が世界の中央銀行の利下げペースについてまだ不透明であることを示唆している」と語った。

また、グーグルは、同社の収益成長を促進するための投資を止めてはいない。同社の会話型AIであるGeminiにより性能の優れた大規模言語モデルが導入されたほか、ロイターは同社がAI関連スタートアップへ最大で20億ドル(約3036億円)の資金を投じる契約を交わしたと報じている。

グーグルはAI検索を有料化するのか?

報道によれば、グーグルはAIを搭載した検索エンジンのプレミアム機能を有料化する可能性があるとされている。ロイターによると、グーグルは、GmailやGoogleドキュメントのユーザーがAIアシスタントのGeminiを利用できるようにするための有料プランに、AIを利用した検索機能を追加する可能性があるという。

一方で、無料の検索サービスがなくなるわけではない。ロイターのメール取材で同社は、「広告のない検索サービスに取り組んでいるわけでも、検討しているわけでもありません。これまで何度も行ってきたように、サブスクリプションサービスを強化するため、私たちは今後も新しいプレミアム機能とサービスを作り続けていきます」と話している。
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翻訳=江津拓哉

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