顧客体験専門のコンサルティング企業プロシードは、全世界1000人のコンタクトセンター(コールセンター)関係者と18歳〜60歳以上の男女5600人を対象に、人を介さないカスタマーサービスの自動対応、いわゆる「セルフサービステクノロジー」(SST)に関するアンケート調査を実施した。それによると、多くの組織がSSTの人気が高まっていると答え、有人対応を望む顧客の割合と、組織が考える有人対応を望むであろう顧客の割合との間には大きな開きがあった。
カスタマーサービスのチャネル(手段)に関する好みの変化を組織に尋ねたところ、電話、電子メール、対面は人気が低下しているのに対して、SSTは大きく高まっていた。そこから組織は、顧客は有人対応よりもSSTを望んでいると結論付けているようだ。
だが、すべてのチャネルで同じように問題が解決できるとしたら、どのチャネルを選ぶかと顧客に尋ねると、電話、ウェブチャット、対面、ビデオ通話などのリアルタイムの有人対応が53パーセント、電子メール、メッセージングシステムによる非リアルタイムの有人対応が37パーセントで、合計90パーセントが有人対応を選択した。SSTはわずか10パーセントだ。
一方、組織側は、有人対応を望むと思う顧客の割合は41パーセントから80パーセントとの答えが合計64パーセントでもっとも多いものの、80パーセント以上いると思っている組織は24パーセントしかなかった。90パーセントという現実と大きな乖離がある。
現在、AIを導入している、または導入予定のコールセンターは75パーセント。その88パーセントは顧客体験の向上を目指しているものの、63パーセントは有人対応の削減も同時に計画している。カスタマーサービスのAI化はますます進むということだ。
チャットボットだけで問題が解決した経験のある人は59パーセントと、まだまだAIの信頼性は低い。人と同じぐらい顧客の気持ちを酌んでくれるようになればいいが、それまではしばらく時間がかかるだろう。せめて、顧客のほとんどは人の対応を望んでいることをサービス提供側には理解してほしい。
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