DBRXと呼ばれるこのモデルは、企業が独自のデータに基づいてカスタムAIを作成することを可能にする。データブリックスによると、DBRXのパフォーマンスはベンチマークの大半でOpenAIのGPT-3.5を上回り、一部の指標でGPT4に匹敵するという。
このモデルは、メタのLlaMA 2モデルと同様にオープンソースであるため、企業は無料で利用可能だが、データブリックスのクラウド上で使用する場合は有料となる。同社はこのツールを従量課金で提供している。
「当社は、オープンソースが業界を前進させるものだと考えています。企業はさまざまな制限に縛られたくないのです。オープンソースは、我々にとってビジネス上の競争優位性でもあるのです」と同社のアリ・ゴティシCEOは記者団とのブリーフィングで語った。
データブリックスは、データを保存、収集、管理するためのツールを他社に貸し出すことで収益を上げている。エヌビディアやキャピタルワン、アンドリーセン・ホロウィッツの出資を受ける同社は、2013年に設立され、現在のAIブームを受けて急成長した。データブリックスは今月初め、昨年度の売上高が前年比50%増の16億ドル以上に成長したと発表した。同社は間もなく新規株式公開(IPO)に向かうと広く予想されているが、その時期は明らかにされていない。
AI分野では世間の関心の多くがChatGPTやグーグルのGeminiのような消費者向けのツールに向けられているが、アナリストによれば、AIの大きなメリットの多くは企業向けだという。マッキンゼーは、生成AIが生産性を向上させることで、世界経済に年間2.6兆ドルから4.4兆ドルの付加価値をもたらし、2030年までにほぼすべての職業で最大70%のビジネス活動の自動化が可能になると見積もっている。一方、OpenAIの試算によると、80%の職種が生成AIをワークフローに組み込むことが可能だという。