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2024.03.22

Apple Vision Proはコンサートの楽しみ方も変える

没入型3D映像の時代は、コンサートの楽しみ方に劇的な影響を与えるかもしれない(写真:Shutterstock)

2017年の春に、私はVRヘッドセットの初期プロトタイプを見せてもらった。このアプリケーション上でデモされたのは、シルク・ドゥ・ソレイユの演技の没入型3D映像だった。舞台の上で、アクロバットやジャグラーたちが私の周りで演技をしているような没入感が感じられた。あまりにリアルだったので、ジャグラーが私の頭の近くにあるボーリングのピンを、向かいにいたもう1人のジャグラーに投げときにはたじろいだ。

その体験がきっかけで、私はあらゆる種類のエンターテインメント、特にコンサートやスポーツにおける没入型3Dの可能性を理解できた。

昨年秋にアップルがApple Vision Proを発表した際に、彼らが見せたデモの1つは、コンサートや音楽会場をより視覚的に没入した体験として見せるというものだった。アリシア・キーズとバンドのリハーサルセッションが例として紹介され、セッションの中心に立ってじっくりと見ることができた。

Vision Proでコンサートを2Dで、そして最終的には没入型3Dで楽しめるようにするというアップルの決断は、その成功にとって極めて重要だ。

私はあまりコンサートに足を運ばないほうだ。その理由の1つは大観衆があまり好きではないことと、音楽の楽しみ方も違うからだ。それは私がこれまでにコンサートに参加したことがないと言っているわけではない。私にとって最初のコンサートは、サンフランシスコのカウ・パレスでボブ・ディランを観たときだ。多くのメジャーなアーティストを何度も直接楽しんできた。人混みは好きではないが、私はニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルに行くこともある。そこではほとんどの演奏が小さなテントで行われる。

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先週、Disney+(ディズニープラス)はテイラー・スウィフトのThe Eras Tourのコンサートビデオを公開した。このコンサートは、Vision Proを持っている人にとって、アップルの新しいヘッドセットで楽しめる最初の重要なコンサートだ。これは2Dで撮影されたもので、テレビやコンピュータ、タブレットでも同じショーを見ることができるが、Vision Proの大画面で見ることで、コンサート体験が生き生きとしたものになった。

撮影を行った撮影監督には賛辞を送りたい。なぜなら、すべてのプラットフォームでの体験がすばらしいものになっているからだ。しかし、Vision Proで映像を観賞し、AirPods Maxでその音を聴いたとき、体験はさらに個人的なものになった。前述のシルク・ドゥ・ソレイユの例のように、私は彼女と彼女のダンサーやミュージシャンの一団といっしょに舞台に立っているような気になった。
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翻訳=酒匂寛

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