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2024.03.10 11:00

10億人のFacebook Messengerユーザーに残念な知らせ

驚きのもう1つの理由は、メタ(当時はフェイスブックと名乗っていた)がかつて、傘下のメッセージングプラットフォームであるMessenger、WhatsAppおよびインスタグラムのDMを統合する壮大な計画を発表したからだ。統合には、主としてWhatsAppユーザーから強い反発があり、実現しなかった。しかし、主要な問題は技術的な統合とセキュリティにあり、いずれも今は解決している。

欧州のデジタル市場法は、その計画を再検討するまたとない機会だと思われた。技術的解決はいずれにせよ必要であり、WhatsAppが2年にわたって開発している。今やMessengerはエンド・ツー・エンド暗号化がデフォルトであり、セキュリティとプライバシーのミスマッチも概ね解決済みだ。

Messengerが行動を起こさないなら、Telegram、Signal、Googleメッセージ、iMessageといった他社製アプリがWhatsAppのハブに参加することなど誰が期待できるだろうか。実は、デジタル市場法にSignalやTelegramをWhatsAppとつなげる意図はない。彼らは自力で生き残る。デジタル市場法の狙いは、もっと小さいニッチなプレイヤーに門戸を開くことだ。そしてそれは、ある程度実現しそうだ。

しかし、WhatsAppの動きに関する報道は、ワンストップショッピングの利便性に焦点を当てており、TelegramとSignalのメッセージがWhatsAppにやってくるという例を挙げている。その論点がずれていることはおわかりだろう。しかしおそらく、ユーザーが最も求めていることを反映している。

メタ自身には別の問題もある。同社はWhatsAppを米国で強く推進することに力を入れている。米国はWhatsAppがトップを取っていない市場の1つだ(皮肉なことにトップはMessengerだ)。両者を組み合わせることは、力を合わせてアップルのiMessageを標的にする興味深い挟み撃ち攻撃になると思われた。しかし、そうはなっていない。

メタのユーザーは、今後も2つのメッセージアプリの間を往復しなくてはならないようだ。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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