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2024.03.04

「最も必要とする企業の役に立たない?」人工知能7つのパラドックス

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どんな技術にもパラドックスはつきものだ。AIは特にその傾向が強い。それは与え、同時に奪う。もちろん、これはビジネスとITのリーダーたちが組織内のAIに関する決定を下す上でより難しく、混乱させる要因となる。なにしろ、多額の予算が関わり、全員を納得させ、リソースを移動させる必要があるからだ。

以下に挙げたのは、有名なAIのパラドックスとなる。

1. AIは労働力を削減すると同時に、スキル要件を増やす

AIを使った各機能をまとめるには、そのためのスキルが必要となるが、これが最大の課題の1つだ。たとえば、AIはこれまで人間が行っていた作業を代替するもので、Rackspace Technologyの調査では、回答者の62%が、AIが組織内の人員削減につながったと答えている。同時に、最も頻繁に直面する問題や障害は、AIを実現するためのスキルが不足していることであり、67%がこれを指摘している。

2. AIの開発と導入は複雑だが、アプリの開発と導入を容易にする

AIに関するIBMのワトソン・グループの調査によれば、AI技術から最も利益を得ているのは技術者自身だ。彼らのオペレーションと品質保証が自動化され、より速いアプリケーション開発やより大きなネットワーク最適化が可能となり、手動の作業が排除できるからだ。

3. AIは導入コストが高いが、ITコストの管理と削減に役立つ

たとえば、テクノロジーへの支出をインテリジェントに制御するための普及途上のFinOps(財務オペレーション)は、AIと機械学習からの恩恵を受ける可能性が高いとFinOps Foundationの分析が予測している。だが同時に、AI機能を管理・構築するためには、FinOpsやその他のコスト削減努力が必要になるかもしれない。

4. AIは仕事を自動化・機械化するが、より大きな創造性を要求する

世界経済フォーラムが発表した将来の仕事に関する報告書の著者は、今後5年間で労働者のスキルの44%が破壊的な影響を受けると見積もっており「職場での複雑な問題解決の重要性の高まりを反映して」認知スキルの重要性が最も急速に高まると報告している。
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翻訳=酒匂寛

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