毎回約30〜40名の人たちが参加したが、ワークショップ部分は「つなげる30人」のファシリテーションの方法論を応用し、まずは心理的安全性を確保するため、多様な背景を持つメンバー同士の関係性を構築し、柔軟かつ大胆なアイデア発想を推奨し、そして解像度の高いアウトプットへの収束ができるよう運用を心がけた。
なお参加者の構成は、半分が基礎自治体(いわゆる区市町村)の議員、もう半分が民間からの参加であった。民間の男女比はほぼ半々で、年齢層は30−40代と子育て当事者世代が多い印象であった。
ワークショップを通して、計7つのテーマに基づくチームがうまれた。また都議会議員がチューターとして政策立案のサポートをしたり、フィールドワークを行ったりすることで政策の骨子を固めていった。
結果とそこからの学び
12月中旬に、最終発表会が開催され、結果的にこの政治塾から生まれたアイデアをベースにした「東京都独自のデジタル地域通貨(Tokyo Tokyo Point)」が、東京都に提案され、新年度予算案に約3億円が計上される事となった。このアイデアは、「商店街振興」をテーマに集まったチームが、ブレインストーミングして出てきたのだが、その実現のために、より深堀りすべく調査を進めていった。その結果、商店側への決済手数料負担分を支援し、地域に対してポイント還元をして経済活性効果を高め、自治体側が独自財源でシステムを構築せず、東京都が共通のプラットフォームを提供する政策へとブラッシュアップされていった。
これは、これまでの「つなげる30人」では考えられないスピード感と予算規模であり、私もまだ実感が伴わないが、大変大きな成果があったと考えている。
成果を得た要因は様々あるが、上述のように多様な背景を持つ参加メンバーが対話しながら、都議会議員が手厚いサポートを行ってきたことが挙げられるだろう。
今回の成果をきっかけに、東京都から政策形成過程の民主化と多様化が進み、全国に影響を与えていくこともできるのではないだろうかと感じた。
そして、このような自治体や立場を越えた多様な方々による民主的な政策形成のプロセスが近い将来のプロセスのスタンダードになってほしいと願っているし、その一助となれるよう私自身汗をかいていきたい。