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2024.02.23

まちづくりの真髄は「まず動き、1人目のフォロワーを獲得せよ」

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最近、市役所時代に培った経験、知見をシェアしてほしいと国や地方自治体、経済団体などからたくさんの依頼が寄せられます。主に「みせるばやお」や「FactorISM」の経験談を中心にお話ししながら、事例をもとにどのように考え、行動してしてきたかをお伝えするのですが、「あなただからできた」などと属人的な話や自分には少し遠い話と捉えられて、自分ごと化して行動しようとする方はごく少数な気がしてなりません。

「自分の話で少しでも他地域の変化の起点をつくれたら」と思い、特段、スケジュール調整が困難な場合を除いて、全国津々浦々からの講演依頼を受け付けていますが、「このまま講演を続けていても地方はよくなるのだろうか」といった疑問も浮かび上がってくるようになりました。

そうしたこともあって、コラムでも自分がやってきた活動や行動、考えがどうして地域活性化に繋がったのか、客観的な分析も含めて伝えていくため、こうして執筆しています。

地域を飛び越えて最初に依頼があったのは、広島県呉市の講演ならびに呉市産業振興会議という審議会の場だったと記憶しています。それから毎年、ご依頼いただく「地域経済コンシェルジュ養成研修~顔の見える関係づくりと支援力の向上」(通称 EGおおさか)では、少しずつ講演をきっかけに動き出す地方自治体の職員の皆さんにも出会うことができ、やってきてよかったなと感じることも多くなりました。

ムーブメントが起きるまで

まちづくりの課題は大きく、たくさんの事象が絡み合っているために「何からはじめていいかわからない」という質問を聞くことがあります。その時は、いつも「裸の男とリーダーシップ 〜ムーブメントの起こし方〜」のYouTube映像を会場で一緒に見るようにしています。

まちづくりの鍵は「ひとりの熱量ではじまり、どれだけ共感し、まちの人たちの想いを共鳴できるか」にあると考えています。

動画では、ある音楽フェスで1人の男が裸で踊りだすシーンから、1人のフォロワーである男が同じように踊りだし、周りの観客を誘い出すというような流れです。最初は、1人だった裸の男ですが、1人目のフォロワーを獲得したのちに、また2、3人そして100人以上が自分と踊りだすというムーブメントが起こる瞬間を捉えている動画を見てもらい、①まずは動き出すことが大切であり、②一人目のフォロワーがつくまで行動すること、③誰もがわかりやすい活動を展開することなどをお伝えしています。
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文=松尾泰貴

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