渡辺:それで言うと、起業家の「想いの強さ」みたいなのはすごく大事だと思っています。まずは「未来をどうしたいのか」という気持ちがあること。そしてその未来から過去を紐解いて、自分でどこに旗を立てるのかを決めていく。それが起業家にとっては必要不可欠な要素ですよね。
秋元:すごく理路整然としているじゃない。でも、もっと飛躍するためには、やっぱりそこに振り切る力が必要。例えば「ここにニンジンがあります。これをつかって新しい何かをつくってください」と言ったら、多くの人は今までにない料理をつくろうとする。ニンジンサラダとか、ちょっと捻ってもビーガン向けのニンジンバーガーとか。
だけどアントレプレナーに必要なのは、「このニンジンを、ロケットの燃料に使うらしい」という飛躍。「え、ニンジンが燃料になるの!」と、理解できなくなって僕たちはついて行けない。
渡辺:たしかに、「バカになる力」って大事ですね。あとは、過去を知らないことも強みかもしれません。
Web3みたいな新しいものができたときに、多くの人はこれまでの“当たり前“を用いて物事を測りますよね。でもそうすると、新しい挑戦はできないですし、誰も理解できないけど、未来では当たり前になるようなものを作ることができない。僕らは前の時代を知らないので、Web3をありのままに捉えることができるし、だからこそ勝てるのかもしれないですね。
渡辺はもっと突き抜けていい
渡辺:僕たちの事業は2年前にお会いしたときから成長していて、当時は時価総額ランキング世界200位ほどだったのが、60位くらいまで上がりました。最近では、ソニーネットワークコミュニケーションズとの資本業務提携や、韓国のサムスン電子、シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)からの資金調達といった動きがありました。秋元:僕が求めているのはそうじゃなくて。60位だろうが200位だろうが関係ない。「俺たちがやろうとしていることを世界の人は全然理解してないけど」っていう、独立性・独創性。時価総額2000億円というのは、すでに期待値があるということなんだよね。
それよりも、「今は別に100億円でもいいんですよ、いずれは100兆円に化けるんで」という気持ちでやっているかどうかが大事だと思う。