ウーらはこれらのモデルを用いて、鳥類系図で最古の分岐が2つの系統を生み出したことを突き止めた。1つは古顎類(現代のダチョウ、エミュー、キーウィ、その他の走鳥類)、もう1つはそれ以外すべての現生鳥類を含む新鳥類の系統だ。チームは、新鳥類の2つの主要な枝が進化の歴史の非常に早い時期に分岐し、枝の1つは最終的に陸鳥類を、もう1つが水鳥類を生んだことを発見した。チームはさらに、鳥たちの出現時期が、約5500万年前の地球温暖化現象と一致していることも見つけた。これは顕花植物や他の生物が初めて出現したのと同時期に起こったと考えられ、その結果、鳥類の進化が加速した可能性がある。
この研究は突然変異が着実に蓄積したことに基づいているため、重大かつ重要な疑問が生じる。果たして変異の速度は一定だったのか? どうやってそれを確かめるのか?
これは、小惑星が大型の鳥を絶滅させたが、小型の鳥が比較的無傷だったと考える上で大きな問題だ。小型の鳥は大型の鳥と比べて短期間に多くの世代を作り出すため、小惑星衝突の後に変異の蓄積が速くなり、そのことが鳥類の進化速度を推定する精度に影響を与える可能性がある。現在、科学者らは遺伝子変異が起きる速度をより正確に推定し、遺伝子データと既存の化石証拠をより正確に一致させるための手法を開発している。
Source:
Shaoyuan Wu, Frank E. Rheindt, Jin Zhang, Jiajia Wang, Lei Zhang, Cheng Quan, Zhiheng Li, Min Wang, Feixiang Wu, Yanhua Qu, Scott V. Edwards, Zhonghe Zhou, and Liang Liu (2024). Genomes, fossils, and the concurrent rise of modern birds and flowering plants in the Late Cretaceous, Proceedings of the National Academy of Sciences 121(8):e2319696121 | doi:10.1073/pnas.2319696121
(forbes.com 原文)