米ワーナーミュージックが600人を削減、メディア部門を縮小へ

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米音楽大手ワーナーミュージックは2月7日、最新のコスト削減策として従業員600人を解雇する計画を発表した。同社は、テクノロジー業界の一連のレイオフに続いて、エンタメ関連のポートフォリオの売却を模索している。

ワーナーミュージックは、米証券取引委員会(SEC)への提出書類でレイオフを発表した。同社は、エンタメ関連サイトのUPROXXとHipHopDXを売却しようとしており、人員削減の大半はコーポレート部門とメディア部門になるとしている。

バラエティ誌が入手した書簡によると、ロバート・キンセルCEOは6日、従業員らに対し今回の人員削減が「会社の進化における極めて重要なタイミング」で行われるもので、今後の変化や革新に備え、市場のリードを保つための賢明な選択だと考えていると述べていた。

ニューヨークを拠点とする同社は、昨年3月にも270人の従業員を解雇していた。今回のレイオフでは、退職金を含めて約1億4000万ドル(約207億円)の税引前費用が発生する見通しという。

ワーナーミュージックは、2025年9月までに年間約2億ドルのコスト削減を計画しており、今回の人員削減もその一環という。キンセルCEOは、削減したコストの大半を再投資すると述べている。

同社が7日に開示した2023年最終四半期の売上高は、過去最高の11%増を記録し、純利益は前年同期の1億2400万ドルを大きく上回る1億9300万ドル(約286億円)を記録した。ワーナーミュージックはまた、Billboard Hot 100の上位10曲のうちの半数に、自社の楽曲を送り込んでいた。

同社のレイオフは、これまで主にハイテク業界を揺るがしてきた企業の人員削減の最新版となる。今年はこれまでに決済会社のブロックとEコマースのイーベイがそれぞれ1000人を削減しており、決済会社のPayPalも2500人を削減した。また、マイクロソフトも1900人もの従業員を解雇した。

ダウ・ジョーンズのデータによると、米国のレイオフは先月、10カ月ぶりの高水準に達したにも関わらず、1月の非農業部門の就業者数は前月比で35万3000人増を記録した。これは市場予想の18万5000人増をを大きく上回る増加だった。また、時間当たり賃金の伸び率は年率4.5%に達した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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