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2024.02.07 09:00

YouTubeの有料サービスで1億人突破、「課金モデル」導入の歴史

安井克至
グーグルの親会社のアルファベットのスンダー・ピチャイCEOは1月30日の2023年第4四半期の決算発表で、グーグルのサブスクリプション事業が昨年、合計150億ドル(約2兆2000億円)の収益を上げたと述べた。この金額には、YouTube PremiumとMusic、ケーブルテレビの代替サービスのYouTube TV、追加ストレージサービスのGoogle Oneなどの収益が含まれている。

「YouTubeは、当社のサブスクリプション収入の主要な原動力だ。YouTube MusicとPremiumは本当に勢いがある」とピチャイは述べていた。

1億人というユーザーベースには、無料トライアルが含まれているため、PremiumとMusicの課金収入がいくらなのかは不明で、モーハンも詳細な説明を避けている。YouTubeは、サブスクリプション以外で第4四半期に前年同期比15.5%増の92億ドルの収入を得ていた。

試行錯誤の歴史

YouTube Premiumはこれまでいくつかの試行錯誤を重ねてきた。当初はYouTube Redとしてデビューしたこのサービスは、音楽に加えて、2017年にYouTube Originalsと呼ばれるプロが制作した動画のシリーズを立ち上げ、ネットフリックスやアマゾンのPrime Videoの成功を追いかけようとしていた。当時のタイトルには、80年代の青春映画『ベスト・キッド』の続編の『コブラ会』(最終的にネットフリックスに移った)や、ヒップホップダンス映画をベースにしたシリーズの『Step Up: High Water』などがあった。しかし、YouTubeはその3年後にオリジナル番組部門を閉鎖した。

モーハンは、YouTube がオリジナル番組から撤退した理由について「人々が本当に見たかったのは、プロではなく、クリエイターが作る従来型のYouTubeのコンテンツだったのです」と説明した。「視聴者の間では、それこそがYouTubeのコンテンツだったのです。そして、それが私たちが焦点を当てることにしたコンテンツなのです」と彼は付け加えた。
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編集=上田裕資

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