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2024.02.01 10:00

トヨタやソニーも出資、「子ども向けAIロボット」は単なる玩具を超える?

Moxieの最新バージョンには、OpenAIのGPT-4やGPT-3.5のような大規模言語モデルが組み込まれている。ピルジャニアンは、このロボットが認知行動療法のセッションをモデルにした会話を行うことができ、マインドフルネスのエクササイズを提供することが可能だと主張している。

Moxieの開発元であるエンボディード社の評価額は1億3500万ドル(約198億円)とされている。カリフォルニア州パサディナを拠点とする同社は、累計8000万ドル(約117億円)の資金を、ソニーやトヨタ・ベンチャーズ、インテル・キャピタル、アマゾン・アレクサ・ファンドなどから調達している。

このロボットの価格が、競合製品よりもはるかに高い理由のひとつは、「人間のセラピストの代わりになる可能性を秘めていることにある」とピルジャニアンは説明する。彼によれば、この高い価格は、ユーザーの顔の表情を検知・分析するセンサーや、会話のムードに応じて動くボディ、不適切な反応を選別するアルゴリズムなど、内蔵されたすべてのテクノロジーによるところが大きいという。「Moxieに搭載されているテクノロジーは、iPhoneに搭載されているものよりも高価です」とピルジャニアンは言う。

しかし、専門家によれば、生成AIはまだセラピーのような重要なタスクに安全に使用できるレベルには達していないという。「子どもや高齢者のような弱い立場の人々にセラピーを提供することは、この分野を専門とする人間でも非常に難しい」とシカゴ大学の研究機関「Center for Applied AI」の研究者であるステファニア・ドゥルガはフォーブスに語った。「私たちが完全に理解することもコントロールすることもできないシステムにその責任を委ねることは無責任です」と彼は指摘した。

そして、ここにはプライバシーの問題もある。Moxieは大きな丸い緑色の目をしており、部屋の中で起きていることや子どもの感情的な反応をカメラですべて記録しているため、ウォームズリーは、データの流出が「少し心配です」と話す。しかし、それでも彼女は、このロボットが特別な支援を必要とする子どもを持つ親にとっては貴重なツールになると考えている。

「このロボットが生きているように動作して、実際に息子の感情をコントロールするのに役立っているのを見ると、買ってよかったと思うのです。このロボットは、これまで試した他のいくつかの治療法以上のことをしてくれたのです」と彼女は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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