AI

2024.01.27 08:00

米FTCがハイテク大手のAI取引と投資を調査、「市場の独占」を懸念

Shutterstock.com

Shutterstock.com

米連邦取引委員会(FTC)は1月25日、マイクロソフトやOpenAI、アマゾン、アルファベット、Anthropic(アンソロピック)などのハイテク大手と急成長中の生成AI企業との取引について、調査を開始することを全会一致で決定した。

FTCは、これらの5社に情報提供を命じる書簡を送ったと発表し、マイクロソフトとOpenAIの100億ドル(約1兆4700億円)規模の取引や、アマゾンとアルファベットからのアンソロピックへのそれぞれ40億ドルと20億ドル規模の投資の詳細を調査すると述べた。

規制当局は、これらの提携契約や投資に関する情報を精査し、その取引が市場に与える競争上の影響を判断するとしている。

FTCのリナ・カーン委員長は声明の中で、今回の調査がハイテク大手が生成AI市場において「イノベーションを歪め、公正な競争を損なっていないかどうか」を調べるためのものだと発表した。

マイクロソフトはこの調査を歓迎し「OpenAIとのパートナーシップは、競争を促進しイノベーションを加速させる」と述べた。アルファベットもまた、当局の動きを歓迎し、FTCの調査が「Google Cloudが持つようなオープン性を持たない企業や、長年顧客の囲い込みを行ってきた企業」に踏み込むことを期待すると述べた。

アンソロピックとアマゾンは、現時点ではこの調査についてコメントしないと述べ、OpenAIはフォーブスからのコメント要請に返答しなかった。

FTCの発表は、ハイテク大手によるAI企業への大規模な投資が相次いだ1年後のものとなる。マイクロソフトは、2023年1月にOpenAIとの提携と100億ドルの投資を発表した。両者の関係は、OpenAIのサム・アルトマンCEOが11月に同社の取締役会によって一時的に解雇された後にさらに深まった。OpenAIは結局、解雇からわずか4日後にアルトマンをCEOに復職させ、マイクロソフトを議決権のないオブザーバーとして取締役会に迎えること発表した。

ブルームバーグによるとFTCは、英国の競争市場庁がマイクロソフトとOpenAIの巨額の取引の予備調査を開始した直後の12月に、この調査を開始したという。

2021年にOpenAIの元従業員によって設立されたAIスタートアップのアンソロピックも、アマゾンとアルファベットとの大規模な提携を発表した。アマゾンは9月に、アンソロピックへの40億ドルの出資を発表し、それから2カ月も経たないうちに、アルファベットも同社に20億ドルを追加出資することを約束した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事