2000年に施行されたCOPPAは、13歳未満の子どもから個人データを収集するウェブサイトやオンラインサービスが、保護者からの検証可能な同意を得ることを義務づけ、サイトによるデータ利用を制限している。
今回の改正案は、サイトやサービスが子どもの個人情報を第三者の広告主などに提供する場合に、保護者の同意を得ることを義務付けるものだ。この改正案はまた、サイトやアプリが電話番号などの連絡先情報を用いて、子どもにサービスの利用を促すプッシュ通知を送ることも禁止する。
一方、教育現場には例外規定が設けられ、学習アプリや教育テクノロジーのプロバイダーが、商業目的ではなく教育目的のために、生徒の個人情報を収集、使用、開示することが許可される。
今回の変更案では、データの保持期間に関する制限も更新され、サイトやオンラインサービスは、収集した特定の目的に必要な期間のみデータを保持することは認められるが、他の目的のために使用することや、無期限にデータを保持することは許可されない。
FTCはまた、個人情報の定義を拡大し、顔認識や音声認識に必要な生体データを規制対象に含めることも提案している。同委員会は、60日間のパブリックコメント期間を経て、変更案についての投票を実施する。
一部の批評家は、現状のCOPPAの規制が十分ではないと指摘していた。コモンセンス・メディアの創設者ジム・スタイヤーは、この規制を「絶望的に時代遅れ」と呼び、ジャーナリストのカーラ・スウィッシャーは、この規則が13歳未満の子どもに対する保護しか定めていないことを批判している。一方、カリフォルニア州と欧州連合(EU)は、16歳までの子どもを保護する規則を設けている。
今回の変更案は、ティーンエイジャーのメンタルヘルスの危機が叫ばれるなか、オンラインにおける子どもたちの保護をめぐってテック企業と州政府の間で争いが起きている時期に提案された。10月には、フェイスブックとインスタグラムの親会社であるメタが、有害なコンテンツを広め、若年ユーザーを中毒性のある機能で長時間プラットフォームに滞在させていることが、公衆を欺く行為であるとして、33州のグループから提訴されていた。
動画共有プラットフォームのTikTokもまた、子どもの精神衛生に害を及ぼす可能性のある中毒性のある機能を持つとして、アーカンソー州やユタ州を含む米国各州から訴えられている。YouTubeは先月、同社のプラットフォームが、中毒性があり危険であるとして、複数の訴訟で名指しされた後、体重などのトピックに関連した若年層向けの「おすすめ動画」を制限することを発表した。
(forbes.com 原文)