ベトナムのEV会社ビンファスト、インドネシアの工場とタクシー事業に3000億円投資

Photo by Josh Lefkowitz/Getty Images

ベトナムの電気自動車(EV)メーカーであるVinFast(ビンファスト)は、インドネシアにEVの製造工場を建設し、東南アジアで最も人口が多い同国でタクシーサービスを展開するために、今後数年間で21億ドル(約3100億円)を投資しようとしている。

ビンファストの傘下で、EVを用いたタクシーサービスを現在ベトナムで展開しているグリーン・アンド・スマート・モビリティ(GSM)は、インドネシアやカンボジア、ラオス、さらには米国へのサービス拡大を計画している。同社は既にインドネシアの当局からサービス開始に必要なライセンスを取得するために動いている。

GSMは9億ドル(約1330億円)を投資して車両の基地や充電ステーションなどを建設し、ナスダックに上場する親会社のビンファストから、タクシー用車両を取得する。

これとは別に、GSMは最近、インドネシアの配車サービス大手のGojek(ゴジェック)と、同国における交通のEV化を共同で推進するための覚書を締結した。この提携の一環として、Gojekの利用者は将来的にアプリを通じてGSMのEVタクシーを予約できるようになる。

さらに、ビンファストの親会社であるビングループは、インドネシアにEV工場を建設するために、今後数年間で12億ドル(約1770億円)を投資する。ビンファストは、この工場で年間5万台の生産を目指している。

ビンファストは昨年、北米と欧州への出荷を開始し、3万4855台のEVを納車した。しかし、同社の販売台数は、経済的な逆風や一部の地域でEVの普及が遅れていることなどから「当初の目標だった5万台に届かなかった」と、販売・マーケティング担当副CEOのトラン・マイ・ホアは1月18日付の声明で述べた。

ビングループを率いるベトナム一の富豪であるファム・ニャット・ブオンは、45億ドル(約6600億円)の資産を保有しており、北米や欧州、アジアでEVの出荷を加速させるビンファストの拡大計画に資金を提供してきた。ビンファストは昨年8月、香港のカジノ王ローレンス・ホーが支援する特別目的買収会社(SPAC)と合併し、ナスダックに上場した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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