ベトナムのEVメーカー「VinFast」、20億ドルでインド工場建設へ

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ベトナムの大富豪として知られるファム・ニャット・ブオンが経営する電気自動車(EV)メーカーVinFast(ビンファスト)は1月6日、インド南東部のタミル・ナードゥ州に工場を建設するために約20億ドル(約2900億円)を投資すると発表した。

同社は、現地の州政府と提携し、プロジェクトの第1段階として5億ドルの初期投資を行い、今年中に工場の建設を開始すると述べた。この工場は、3500人の雇用を創出する予定で、年間15万台のEVの生産を見込んでいる。

ノースカロライナ州で20億ドルの製造施設を建設中のビンファストは、まだ黒字化を果たしておらず、米国での販売にも苦戦しているが、グローバル展開の一環として世界第3位の自動車市場であるインドに乗り出そうとしている。同社は、インドネシアにも工場の建設を計画中だ。

昨年、ベトナム北東部の港湾都市ハイフォンにある唯一の工場から欧米への輸出を開始したビンファストは、インドネシアに全国規模のディーラーを設立する計画もあると述べている。

ビンファストは、トップマネジメントを刷新し、これまでのCEOのLe Thi Thu Thuyが会長に退き、親会社のVingroup(ビングループ)の創業者で会長のファムが新たなCEOに就任すると発表した。同社はまた、グエン・ティ・ラン・アインを新CFOに任命した。

46億ドルの資産を持つファムは、北米や欧州、アジアでEVの出荷を加速させるヴィンファストの拡大計画に資金を提供してきた。同社は昨年8月、香港のカジノ王ローレンス・ホーが支援するSPAC(特別目的買収会社)のBlack Spade Acquisition Co.と合併し、ナスダックに上場した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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