ビンファストは、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットで株価10ドル(約146円)、SPAC(特別目的買収会社)取引におけるブラック・スペード・アクイジションとの合併後の評価額230億ドル(約3兆3600億円)でデビューしてからわずか2週間後の28日現在、1株当たり83.16ドル(約12183円)で取引されている。
ビンファストは現在、時価総額1890億ドル(約27兆6800億円)で、評価額7564億ドル(約110兆円)のテスラ、2250億ドル(約32兆9400億円)のトヨタに次いで市場で3番目に価値のある自動車メーカーだが、その生産台数は競合他社に大きく遅れをとっている。ロイター通信によると、テスラやトヨタが2026年までに年間150万台のEVを販売するとの予測に対し、ビンファストは今年の電気自動車販売台数を最大5万台と見込んでいる。
創業者ファム・ニャット・ブオンは、28日にフォーブスが発表した世界第23位の富豪だ。ブルームバーグが報じたところによると、ビンファストの株式の約99%は、彼自身と、彼の妻と彼のコングロマリットであるビングループJSCが保有している。そのため取引可能な株数が比較的少なく、どのような動きであってもほとんど株価の大きな変動につながる。
ビンファストの取引量は、競合他社や同程度の評価額の企業と比べて著しく少ない。8月21日のビンファストの取引量は約210万株であったのに対し、テスラの取引量は1億3570万株、同程度の時価総額を持つコムキャストの取引量は1230万株であった。