ポルシェは現地時間1月11日、EVとなる次期型マカンは、どのバージョンでも、WLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)による航続距離が500キロメートル以上になると発表した。同社はまた、この電動SUVが、販売されるすべての市場で、最大270kWの急速充電に対応すること、そして搭載するバッテリーの容量が100kWh(実際に使用可能な容量は最大95kWh)であることを明らかにした。
ミドルサイズSUVのクラスに属するポルシェ・マカンは、現行モデルの初代が2013年11月にデビュー。それから約10年ぶりにモデルチェンジして二代目となる次期型は、ポルシェがアウディと共同開発した「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」と呼ばれるアーキテクチャを採用する最初のポルシェ車であり、2019年に登場した「タイカン」に続く同社で2番めの純粋な電気自動車である。
世界初公開を間近に控えた今、ポルシェは次期型マカンのテスト中の画像を一足先に公開した。黒いシートで全体にカモフラージュが施されているものの、このプロトタイプを使ってポルシェは、摂氏マイナス30度の厳寒のスカンディナヴィアから、摂氏50度にもなる灼熱のカリフォルニア州デスバレーまで、広範囲にわたる現実世界で、公道とサーキットを合わせて350万キロメートルを超える実走テストを現在まで行ってきた。さらに、今では自動車メーカーにとって当たり前となったバーチャルワールドでのテストや、もちろん風洞を使ったテストも実施されている。ポルシェによると、次期型マカンはポルシェらしいドライビング・ダイナミクスを継承しながら、効率に優れたEVになるという。
これは重要なポイントだ。というのも、ポルシェ初の市販EVとなったタイカンは、これまでに発売された量産EVの中で、間違いなく最高のドライビング・ダイナミクスを備えているが、航続距離は他車に及ばず、現実の路上では300キロメートル程度しか走れない場合もあるからだ。次期型マカンのすべての仕様が、ポルシェの約束した500キロメートルを達成することは極めて重要だ。