ビジネス

2023.04.30

ベトナムのEVメーカーVinFastが25億ドルで米国と欧州市場を強化

Vadim Rodnev / Shutterstock.com

ベトナム最大のコングロマリットであるビングループ(Vingroup)とその創業者であるファム・ニャット・ブオン会長は、傘下の電気自動車(EV)メーカー「ビンファスト(VinFast)」の北米と欧州の事業拡大を加速させるため、合計25億ドル(約3330億円)の追加資本を注入する。

ビングループによると、ベトナムで1位の富豪であるブオン会長は、来年中に10億ドルの資金をビンファストに注入する。同グループは、これとは別に5億ドルの資金を提供し、今後5年間でさらに10億ドルを融資する計画だ。

ビングループのCEOであるNguyen Viet Quangは声明の中で「ビンファストの成長ポテンシャルは過去5年間で実証されてきた。今は、この会社が世界のEV市場で確固たる競争力を獲得するために事業拡大を加速するべき極めて重要な時期だ」と述べている。

今回の資本注入は、ビンファストが今年後半の米国でのIPOの準備を進める中で行われた。1月のブルームバーグの報道によると、同社はIPOで少なくとも10億ドルを調達する見通しという。

ノースカロライナ州に工場を建設する予定のビンファストは、昨年11月に米国への車両の出荷を開始し、テスラと直接競合することになった。同社は、カナダと欧州向けの出荷を今年後半に予定している。

ビンファストの支配株主であるブオン会長は、EV以外にも時価総額でベトナム最大のコングロマリットであるビングループを通じて、不動産や小売、家電、ヘルスケア分野への投資を行っている。フォーブスはブオン会長の保有資産を42億ドルと試算している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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