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2024.01.24 09:00

マスクの政治的な発言はテスラの売上に影響を与えている?

テスラの販売台数は実際には、一連の値下げが行われた後、第4四半期に増加した。前四半期の43万5000台から48万4500台へと大幅に増え、40万5000台を売り上げた前年同期より増加幅は大きい。米紙ニューヨークタイムズによると、通年で180万台超を販売するテスラは今年、メルセデス・ベンツなどを追い抜く可能性があるという。

筆者は米国で最もリベラルな都市の1つであるロサンゼルスに住んでいる。地元のスーパーマーケットであるホールフーズ・マーケットに行くと、駐車場はまるでテスラの販売代理店のようだ。モデルYを所有する人々はみな、マスクがXでどんな発言をしようが、ジャーナリストが何と指摘しようが気にしないか、知らないのだろう。

彼らは実用的な理由でクルマを購入する。

多くのオブザーバー(上で引用したWSJの記事のコメンテーターを含む)が述べているように、マスクは良くも悪くもヘンリー・フォードやハワード・ヒューズのようなタイプだ。つまり、マスクは人々がどう思うかを気にしない。批判されると、マスクは態度を硬化させるだけだ。

もっと広く言えば、マスクの政治的な発言は平均的な米国の自動車購入者にはほとんど影響しない。例えば、マスクの政治観は、ガソリン車に執着している保守派の人々にテスラ車に乗り換えようと思わせることはないだろう。昨年10月に発表されたヤフー・ファイナンスと市場調査イプソスの共同調査の結果によると、EVに抵抗する人々の大半は、EVはあまりに高価で航続距離が短いと考えているためにガソリン車を使い続けたいと考えている。

「より大きなEV市場では、購入者は内燃機関車からEVへとゆっくりと移行する」とフィオラニは指摘。さらに「会社を経営しながら自分の政治信条を宣伝することは、有利には働かないだろう」としながらも「現在のEVへの移行は、政治的な発言の有無にかかわらず、ゆっくりとしたものになる」との見方を示した。

テスラはあなたが思うような典型的な企業ではないことを付け加えておこう。そして、政治的な発言ではなく、デザインや品質、安全性、価格、技術上の優位性がテスラの運命を決める。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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