メタの株価は19日の市場で2.2%上昇して384.36ドルをつけ、2021年9月につけた日中最高値の384.33ドルを更新した。
同社の株価は、終値の最高値の382ドルも上回り、2021年のピーク時から77%の暴落となった22年11月のどん底から劇的なカムバックを果たしている。
メタの株価の21年から22年にかけての暴落は、市況の悪化と金利の上昇がハイテク株の重荷となる中で起こったが、その始まりは、21年10月末に社名をフェイスブックからメタに変更したザッカーバーグが、メタバースへの注力を打ち出したことだった。
同社の拡張現実(AR)と仮想現実(VR)部門のリアリティラボは、22年に137億ドル(約2兆円)の営業損失を計上し、メタバースの推進は投資家の大きな不評を買った。
しかし、23年は、ザッカーバーグが2万人以上の人員削減を実施して「効率化の年」をアピールし、収益性の向上を推進したことでメタの株価は急回復した。この努力はすでに実を結び始めてり、同社は昨年9月30日までの四半期に139億ドルのキャッシュを生み出し、過去最高の利益を上げたばかりだ。
メタの株価パフォーマンスは、2023年のS&P500構成銘柄の中で2位の好成績を収め、約200%のリターンを上げていた。同社の約13%を所有するザッカーバーグは、メタ株の高騰でさらに資産を増やし、現在の保有資産は1340億ドルと、世界5位の富豪となっている。
メタの時価総額は史上初の1兆ドル達成まであと2%に迫っており、アップルやマイクロソフト、サウジアラムコ、アルファベット、アマゾン、エヌビディアに続く、1兆ドル超えの企業になろうとしている。時価総額が約9850億ドルのメタは、世界で7番目に価値のある企業となった。
メタは2月1日に第4四半期と通年の決算の発表を予定している。ファクトセットのデータで、アナリストは同社が過去最高の利益を上げ、EBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)が過去最高の726億ドルに達すると予想している。
(forbes.com 原文)