「次世代のサービスのためには、AGIの構築が必須になることが明確になりつつある」と、ザッカーバーグは個人で公開した動画の中で語り、最高のAIアシスタントやクリエイターとビジネスのためのAIを構築するためには、推論やコーディングなど「AIのあらゆる側面を進化させることが必要だ」と主張した。
この取り組みをサポートするためにメタは、2024年末までにクラウド施設に巨大なコンピュートパワーを導入する計画で、具体的には、35万基のエヌビディアのH100、もしくは約60万基のそれと同等のパワーを実現する他社のGPUを導入する予定という。
これほどの台数のH100を発注した企業はマイクロソフトのみであり、納期は1年にもおよぶ見通しだ。
2022年に発表されたH100は、800億個のトランジスタを搭載したGPUで、動作速度は既存モデルの最大6倍、メモリの帯域幅は毎秒最大3テラバイトとされている。エヌビディアのスーパーコンピュータ「Eos」は約4600基のH100を搭載しているが、メタはその130倍の規模のシステムを実現しようとしている。
ザッカーバーグによるとメタは、この膨大な処理能力を用いて大規模言語モデルLlama 3のトレーニングを継続する予定で「将来のAIモデルを、責任ある姿勢で安全にトレーニングするというエキサイティングなロードマップもある」と述べている。
生成AIのテキストモデルであるLlama 3について一部の専門家は、OpenAIのGPT-4に対抗する、あるいはそれを超える可能性があると述べている。メタは、その以前のバージョンのLlama 2をオープンソースで公開しており、Llama 3も同じ道を歩むことになりそうだ。
ザッカーバーグは、AIとメタバースが密接なつながりを持つと考えており、多くの人がスマートグラスを通じてそれを体験することになると述べている。
「私たちの多くは、1日を通じてAIと話すことになるだろう。スマートグラスが、そのためのツールになる。メガネは、あなたが見ているものをAIに見せ、あなたが聞いているものをAIに聞かせるための理想的なフォームファクターだからだ」と、彼は語った。
ザッカーバーグはまた、メタがレイバンと組んでリリースした「Ray-Ban Metaスマートグラス」についても言及し「非常に好調なスタートを切っている」と述べた。
(forbes.com 原文)