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2023.12.14

メタのAI画像生成ツール、唯一の欠点はユーザーがソースとなる画像を提供

Joao Serafim / Shutterstock.com

「不気味の谷」現象についてそれほど語る人はもういない。 目にしたコンピュータグラフィックス生成の画像が完全に本物には見えない、奇妙な感覚のことだ。人工知能(AI)による画像生成では「不気味の友」と呼べる新しい概念が生まれるかもしれない。

メタはこのほど、単独で動作するAIを用いた画像生成ツールをリリースした。これはメタ独自の画像生成モデル「Emu」をベースにしており、その仕組みに驚かされるかもしれない。

Imagine with Meta AI」はすでにメッセンジャーやインスタグラムといったメタが提供するアプリに組み込まれている。それが今回、ウェブで利用できるようになっている。非常に印象的だ。

唯一の欠点は、ユーザーがソースとなる画像を提供するということだ。

テック関連のニュースサイトArs Technicaによると、メタは我々のソーシャルメディアのフィードをすべてスクレイピングし、約10億枚もの画像を集めている。AIは多少見覚えのあるような人物のグループを作り出すことができるが、それはあなたが筆者のように疑い深い人であればの話だ。

筆者はAIが生成したある画像にためらいを感じたことを言っておかなければならない。筆者はAIに、カメラに向かって微笑む人々の画像を作るように頼んだ。そのうちの何人かは奇妙にも見覚えがあった。私の実際の友人に似ている人がいたとは言わないが、このようなAIの実験に同意した覚えもない。

確かに、AIを使うのは楽しい。その結果は往々にしてすばらしいものだが、ソーシャルメディアのユーザーはすでにモルモットだ。広告主が私たちをターゲットにできるよう、私たちはデータを提供する。いやいやながら提供した個人情報が悪用されることもある。メタは今、AI画像生成ツールを構築するために私たちの画像を使っている。私たちがそれに関わりたいかどうかにかかわらずだ。

何が問題なのかと思うかもしれない。画像は一般に公開されており、あるレポートによるとこのAIは私たちが友人や家族とだけ共有するプライベートな画像を含んでいないという。AIが見分けがつかないようなものを生成するのに私たちの画像を使い、そして私たち全員が楽しく、ほぼ無害な方法でAIに貢献しているのなら、私たちはただそれに参加すべきではなのかもしれない。
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翻訳=溝口慈子

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