「路面に埋め込む発電装置」を開発した英スタートアップが注目される理由

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もし、道路を走るすべての産業車両が、走行中にクリーンエネルギーを作り出すことができたら、環境に与える負荷を軽減できるのではないか。英中東部グリムスビーに拠点を置くスタートアップ、ルーテ・テクノロジーズの共同創業者であるアントニー・エドモンドソンベネットは、2017年にそう考えた。それから7年、ルーテ社はエドモンドソンベネットのビジョンを実現するテクノロジーをまさに商業化しようとしている。

同社は、車両が路面に作られた特別な部分を走行する際に、車両からエネルギーを回収するシステムを開発した。車両が路面のスピードバンプ(車を減速させるための隆起)のような隆起の上を走行すると、油圧装置につながっているピストンが押される。それによって車両の力学的エネルギーが電気に変換され、すぐに使用したりバッテリーに蓄えたりすることができる。

「事実上、無駄になっていたエネルギーを回収して再利用している」とエドモンドソンベネットは説明する。「何もしなければ、車両のエネルギーはそのまま地中に消えてしまう」。

ルーテは手始めにこの技術を、低速で走行する複数の大型車両を運用している組織に売り込もうとしている。対象となる組織は、例えば港湾事業者だ。港湾では荷物の積み下ろしのために大型トラックが絶えず行き来している。特殊な現場で重機が稼働していることが多い建設部門もターゲットだ。

「そのような環境では、大型車両が低速で運転されており、電力を必要とすることが多い」とエドモンドソンベネットは指摘する。「さらに、これらの分野は過度に二酸化炭素を排出しているため、その対策に着手する必要がある」。

ルーテは、顧客の業種や特有のニーズに応じて、さまざまなビジネスモデルで事業を展開している。だが、基本的には、顧客はルーテが提供するテクノロジーの導入にかかる費用を最初に払うが、発電されたエネルギーにより従来型の電力の消費が減るため、時間とともに導入費用を回収することができ、さらには費用を上回る利益を得る。

ルーテの装置は現場の電力網に接続することもできるし、顧客がその電力でバッテリーを充電して、必要な場所にバッテリーを配備することもできる。いずれにせよ、この装置を導入した後、従来型の電力の使用量は減る。エドモンドソンベネットによると、顧客はわずか2年で投資を上回る利益を得始めるという。

この技術は、他の種類のクリーンエネルギーより優れている可能性さえある、場所を取らない革新的なソリューションだ。たとえば風力発電や太陽光発電は、タービンやソーラーパネルを設置するためにかなりの物理的スペースを必要とするが、ルーテの圧縮技術はすでにある道路の下に設置する。
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翻訳=溝口慈子

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