これについて、米国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は、北朝鮮による対ロシア支援の「重大かつ懸念すべき拡大」だと警告した。リンダ・トーマスグリーンフィールド駐国連米大使は同日「国連はすべての加盟国に対し、武器や関連物資を北朝鮮から調達したり、北朝鮮が武器や関連物資を輸出したりすることを禁止しているが、北朝鮮とロシアはともに、この武器禁輸措置に露骨に違反している」と指摘した。
米紙ワシントン・ポストの取材に匿名で応じた2人の米政府筋は、自国の兵器が減少の一途をたどる中、ロシアは軍需補給を「志を同じくする国」に頼らざるを得なくなっており、北朝鮮から供与されたミサイルをウクライナに配備し始めたと語った。ロシアは先月下旬に少なくとも1回、また今週も少なくとも1回、北朝鮮のミサイルを発射している。
米政府筋が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに語ったところによると、ロシアはイランからの近距離弾道ミサイルの購入も検討しており、早ければ春にも納入される可能性があるという。米AP通信は、イランは以前、ロシアに無人機や空中爆弾、弾薬を供給していたと伝えている。カービー調整官は昨年11月、イランがロシアにミサイルも供給する可能性があると警告していた。
英ロイター通信によると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2日、ロシアが先月29日以降、ウクライナに向けて発射したミサイルの数は約300発に上ると述べた。また、ロシアは同時期に200機以上の無人機による攻撃を行ったという。
米国ではジョー・バイデン大統領が約614億ドル(約8兆8900億円)の対ウクライナ追加支援を呼び掛ける一方で、議会がこれに合意できずにいる。共和党はこれと引き換えにメキシコとの国境の対策を強化するよう求めており、対ウクライナ支援は数週間まとまらなかった。ホワイトハウスは先月上旬、議員に対し、米国にはウクライナを支援するための「資金が底を突き、時間もほとんど残されていない」と警告した。ロシアが侵攻を開始して以降、米国はウクライナに約1110億ドル(約16兆円)の資金を提供してきた。
(forbes.com 原文)