冷戦が過去のものとなったことで、米国とアンゴラの関係は大幅に改善された。両国は昨年12月に米ワシントンで開催された米国・アフリカ首脳会議で、レアアース(希土類)を中心とした幅広い分野での戦略的・経済的協力を深めるとともに、自由化が進むアンゴラ経済への米国の投資を促す一連の協定に調印。アンゴラがOPECから脱退するわずか数週間前、米国務省は両国の国交正常化30周年を祝い、ここ数カ月間で二国間の投資が大幅に増加したことを歓迎した。
一方中国は、ソ連との関係が悪化していた時期、MPLAと対立していたアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)を長く支持していたが、後にMPLAを受け入れ、アンゴラを「一帯一路」構想に取り込み、ソ連崩壊後に後ろ盾を失っていた同国を支援するようになった。中国企業はアンゴラの一次産品部門に多額の投資をしてきたが、その大半が石油に集中しており、アンゴラが中国に安価で豊富な石油の輸出を再開することを何よりも歓迎している。中国外務省は6日、天然資源を含むさまざまな分野での実務協力を早急に深めるよう、アンゴラと協調していると表明した。中国政府は確かにこの進展を歓迎している。ロシアとの「限界なき友好」も、もはやここまでだ。
終わりのない重厚な社交ダンスは興味のおもむくままにパートナーを入れ替えるよう求められ、ときには奇妙な相手と組むこともある。米中には数多くの意見の相違があるが、安価なエネルギー価格が望ましいという点では大筋で一致しており、アンゴラのOPEC脱退は双方に利益をもたらす。
これが最終的に中国か米国か、どちらに有利に働くかはまだわからない。しかし、米国がアフリカ南部で目的を果たし、十分な石油供給を確保するためには、戦略的な関心と積極的な関与を示していく必要がある。
(forbes.com 原文)