国際指標のブレント原油先物は1バレル当たり84.19ドルと、先月31日から5.3%以上上昇し、約1カ月ぶりの高値となった。米原油先物のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時1バレル当たり81ドルを超えたが、その後は先月31日より5.38%高い79.69ドルとなった。
今回の減産は、OPECプラスが昨年10月に発表した日量200万バレルの減産に続くもの。イラクは日量21万1000バレル、アラブ首長国連邦(UAE)は同14万4000バレル、クウェートは同12万8000バレルの減産を行うと表明。ロシアのアレクサンドル・ノバク副首相は、同50万バレルの減産を今年末まで延長すると発表した。
サウジアラビア政府関係者は「石油市場の安定に向けた予防措置」だと説明している。これに対し、米ホワイトハウスは突然の減産に否定的な反応を示し、国家安全保障会議の報道官は「市場の不確実性を考慮すると、現時点では減産が望ましいとは考えていない」と述べた。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の高騰により、米国ではインフレ率が数十年ぶりの高水準となっている。今回の突然の原油減産措置は、米連邦準備制度理事会(FRB)にとってさらなる圧力となりそうだ。同国のジョー・バイデン政権は、減産は原油価格を押し上げ、ひいてはロシアのウクライナ侵攻の資金源になるとして、反対の姿勢を示してきた。
ロイター通信によると、OPECプラスが削減する原油生産量の合計は、ピーク時との比較で日量366万バレルに上る。
(forbes.com 原文)