宇宙

2023.12.22

一年で最も昼が短く夜が長い日「冬至」について知っておくべきこと

地球の自転軸の傾き。左が夏至、右が冬至(NASA-JPL/Caltech)

2023年12月22日金曜日の12時28分(日本時間)、世界的に重要な瞬間が訪れる。南半球では南回帰線(Tropic of Capricorn)の真上で太陽が輝く。

北半球の冬至(winter solstice)は、南半球では夏至(summer solstice)であり、新しい季節の始まりを告げるしるしだ。

なぜか? すべては、私たちが軸の傾いた惑星に住んでいることが理由だ。そして、なぜ太陽の光が一年の間に強くなったり弱くなったりするのか、なぜ季節が移り変わるのか、天体力学がどのように地球上の生命に影響を与えているのか、考えてみるよい機会だ。

冬至について知っておくべきこと、そしてなぜ重要なのかを以下に紹介しよう。

冬至とは

天文学的に言えば、北半球では冬が始まり、南半球では夏が始まる日だ。北では一年で昼が最も短く夜が最も長い日であり、南では一年で昼が最も長く夜が最も短い日だ。

これは、地球がどのように回転しているかで決まる話だ。地球が自転している軸は23.5度傾いている。このため太陽を1年かけて公転する間に、地球が太陽光を受ける時間と場所は変わっていく。おそらく数十億年前に起きた衝突が原因だ。

冬至に、北半球は太陽から遠い方へ傾くので、太陽は空の最も低い位置に見える。一方南半球では、太陽は赤道から23.5度南の仮想的な線である南回帰線の真上にあり、眩しい光を与え長い時間空に留まる。

重要な瞬間

冬至と夏至は、太陽の見かけ上の動きにとって重要な瞬間だ。「この日、太陽は一時停止して方向を変えるように見えます。『solstice』(至)という用語が生まれるきっかけとなった現象です」と英国ウォーリック大学物理学科研究フェローのキム・ミンジェはメールで説明してくれた。「この単語はラテン語で『太陽が静止する』という意味の『solstitium』に由来しています。この見かけ上の静止は、太陽が背景の星々に対して最も南の点に達した時に起こります」

この日を境に北半球では昼が毎日長くなっていき、3月の春分(spring equinox)に昼が12時間、夜が12時間になるまで続く。春分と秋分の分点(equinox)では、地軸が太陽に対して垂直になる。

6月の夏至では状況が逆になり、太陽は赤道から北に23.5度離れた北回帰線(Tropic of Cancer)の真上に来る。北半球では夏が、南半球では冬が始まる。
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翻訳=高橋信夫

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