ヘルスケア

2023.12.21 13:00

先手必勝、「冬季うつ」に負けないための10のヒント

1. 光療法を試す

光療法は、信頼できる冬型SADの治療法として1980年代から用いられてきた。日の短くなる時期に、明るい光を浴びることで日照時間不足を補うのが目的だ。自然光を模倣した照明器具が効果的で、光を1日20~30分、特に午前中に浴びると気分が改善される。

2. 外に出る

寒くても、日中の明るいうちに屋外で時間を過ごすほうがいい。曇りの日でも、自然光は気分を上向かせる。自然を利用した光療法だ。天候が許す限り、1日最低10分は外に出よう。

3. 専門家に相談する

症状が長引いたり悪化したりする場合は、専門医療に頼ろう。具体的な症状に関する情報や抗うつ薬の入手方法など、患者個人に適した助言や薬・治療法の提案を受けられる。

4. 1日の生活リズムを確立する

睡眠、食事、活動など、規則的なスケジュールを立てることで環境が整い、安心感が得られて気分が上向く。生活にリズムが生まれると自分でコントロールできることが増えるため、ストレスをため込みにくくなる

5. 定期的に運動する

体を動かすと、気分の高揚や幸福感をもたらす神経伝達物質エンドルフィンが分泌され、憂鬱な気分が和らぐ。激しい運動でなくても、毎日散歩するなど簡単なことで効果が得られる。成人の健康維持には週に2時間半以上の運動が推奨されている。

6. 健康的な食生活を心がける

魚や卵、栄養強化食品など、ビタミンDやオメガ3脂肪酸を多く含む食品には、気分を良くする効果がある。また、糖分や加工食品の摂取を減らすことも気力の安定に役立つ。

7. セラピーを検討する

セラピストやカウンセラーに相談すると、自分の状況に合った対処法を講じることができる。心理療法、特に認知行動療法は、いつもと異なる考え方や行動を学べるほか、うつ症状を引き起こす習慣を直すのに役立ち、SAD対策として有益だ。

8. マインドフルネスとリラクゼーション法

瞑想(めいそう)、ヨガ、深呼吸などの実践によりストレスが軽減され、心身の健康が全体的に向上する。ヨガと瞑想はとりわけセロトニンの分泌を促し、メラトニンを分泌して睡眠覚醒パターンを調整する脳器官である松果体を刺激する優れた方法だ。

9. 現実的な目標を設定する

タスクを分割して管理しやすくし、どんなに些細なことでも達成を祝うことで、自信とやる気を高める。目標を具体的にすると、達成感を得やすくなる。

10. 社交的になる

寒くて外に出たくないときでも、友人や家族とつながるようにする。ビデオ通話やテキストメッセージでも、社会的交流を維持すれば孤立感と闘うことができる。

忘れてはならないのは、自分に合った方法を見つけるのが重要だということだ。さまざまな戦略を組み合わせ、焦らず取り組めば、季節性うつ病の症状はコントロールできる。SADは気のせいなどではなく、非常に現実的かつ対処可能な精神疾患だ。予防とコントロールに役立つ対策は、意識して行うことで効果を発揮する。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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