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2023.12.24 16:00

夫婦関係の破綻を招く5つの要因 心理学者が対策を解説

2. 相手の嫌な部分を容認する

夫婦はときに、自分が嫌う相手の行動や習慣について、直接批判したり、対処しようとしたりすることに及び腰になる。例えば、利己的だったり、社会の一員としての意識が欠けたりしていると、それが否定的な行動パターンにつながり、パートナーのニーズも満たせなくなってしまう可能性がある。

夫婦がコミュニケーションをとることに消極的であったり、まったくコミュニケーションをとろうとしなかったりした場合は、夫婦の関係に著しい悪影響を与える問題行動や厄介な状況が延々と続く可能性がある。

親しい人に夫婦関係についてのエピソードを話す際、どちらかがそういった問題に触れることもあるが、そうしたところで夫婦関係のより深い部分に潜んでいる問題を解決することはできない。より健全で充実した夫婦関係を育んでいく上では、こうした行動パターンに正面から向き合うことが不可欠だ。

3. 境界線を尊重しない

夫婦関係のウェルビーイングよりも自分のアイデンティティを優先させてしまうと、「境界線の問題」が起きる、と研究チームは示唆する。

個人ならびに関係のウェルビーイングにとっては、各自がパーソナルスペースや自分の時間、自分なりの志向性といった個人的境界線を定めるのは健全なことだ。そうした境界線を尊重しないと、緊張やストレスが生じ得る。

研究チームは、ある女性参加者を例に挙げている。この女性は、夫の好ましい点だけを他人に話すよう心がけていた。しかし夫は、どんなときも包み隠さず真実を話すことを重んじるタイプだった。他人に明かしてほしくないプライベートな話を夫にされるたびに、女性は不快感を持っていた。

境界線を尊重しないと、2人の関係にズレが生じる。そしてそのズレは、夫か妻が結婚生活を続けていくための努力を怠ったり、相手や夫婦関係をないがしろにして積極的に関係が破綻するよう動いたりしたときに、一挙に表面化する。

ある研究で示されているように、パートナーのニーズと境界線に配慮し、それを的確に感じ取って対応すれば、関係の質は大幅に改善される。逆にいうと、境界線が適切に守られていない場合は、それぞれの自己表現と、調和のとれた関係維持という、難しい兼ね合いをうまく図ることがいっそう必要になってくる。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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