私たちはもはや、Xを利用することにさほど価値があるとは思っていない。控えめに言っても、サブスクリプション料金を払うに値しないことは明らかだ。
本当の問題は、イノベーションの完全な欠落だ。煙ばかりで、火がどこにもない。まともなイノベーションが実装されたのは「スペース(音声を使ったリアルタイムの会話や会議ができる機能)」が最後だが、使い勝手はけっして良いとはいえず、それも2021年の話だ。
ユーザーへの課金は、イノベーションではない。「ツイートを編集できる特権」のために料金を支払う人など、いるわけがない。タッカー・カールソンがXで番組を持つのもイノベーションとは言いがたい。正直に言って、過去1年間にXに実装された、このアプリを使いたくなるようなイノベーションが、筆者にはひとつとして思い浮かばない。
ハッシュタグとツイートで知られているブランドが、凋落への下り坂を転げ落ちているのは、過激で扇情的なヘッドラインのせいではなく、シンプルに、このアプリには有益なものがないからだ。
マスクは状況をどう打開すればいいのだろう?
テスラやSpaceXを築き上げる原動力となったのと同じ見識と創造性を、Xアプリにつぎ込むべき時が来ていると、筆者は言いたい。私たちが見たこともないような、大胆な発想を見せてほしい。
ハッシュタグと同じくらい、斬新で役に立つ新機能を考案すべきだ。傑出した才能で人々をあっと言わせることができれば、私たちはこのサービスに舞い戻るだろう。
「万能アプリ」をつくるべきだ。いや、なんでもよいから、新しい魅力をつくるべきだ。私たちが求めているのは、仕事に役立ち、コミュニケーションを円滑にするアプリだ。
「ドラマ」のことは忘れたほうがいい。それはうまくいっていない。何か価値のあるものを生み出せば、すぐにでもユーザーの関心は戻ってくるだろう。
(forbes.com 原文)