米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、xAIは8億6530万ドル(約1270億円)相当の株式を投資家に売却しようとしており、最低投資額を200万ドル(約3億円)に設定している。
同社は先月、マスクが2022年に440億ドル(約6.5兆円)で買収したX(旧ツイッター)へのアクセスによって「世界のリアルタイムの知識」を持つと主張する大規模言語モデル(LLM)を搭載したチャットボット「Grok(グロック)」をリリースした。
Grokは「全人類に最大限の利益をもたらす」ように設計されたとxAIは述べており、一部のXユーザー限定で公開されている。
マスクは、2022年にChatGPTをリリースしたOpenAIを、サム・アルトマンらと共同で設立したが、アルトマンCEOと衝突し、当時非営利団体として運営されていた同社の買収に失敗した後、2018年に取締役を退いた。それ以来、マスクはOpenAIや他の競合他社を批判し、彼らのプログラムがAIの安全性に関する懸念を真剣に受け止めていないことや、微妙な質問に対する答えを「検閲」していることを非難してきた。
マスクは7月、OpenAIやグーグルのDeepMindのようなハイテク大手が支援する他のAI企業の競合としてxAIを設立した。このスタートアップは、設立直後に元DeepMindの上級研究員だったイゴール・バブシュキンを含む人材を競合他社から集めている。
AI企業は、ChatGPTの成功後、この1年間で数十億ドルの資金を集めている。アマゾンは9月、OpenAIの元従業員が設立したスタートアップ企業でAIアシスタント「Claude(クロード)」の開発元であるAnthropic(アンソロピック)に40億ドル(約6000億円)を出資した。
OpenAIもまた、800億ドルから900億ドル(約12兆円〜13.5兆円)の評価額で既存株式の売却を検討中と報じられており、世界で最も評価額の高いスタートアップのひとつとされている。
(forbes.com 原文)