Netflixのドラマ『ドント・ルック・アップ』に著作権訴訟、作家が盗用を主張

"Don't Look Up"の特別上映会に出席するアダム・マッケイ(Photo by David M. Benett/Dave Benett/Getty Images for Netflix)

Netflixのドラマ『ドント・ルック・アップ』のプロットが、自身が出版した小説からの盗用だと主張する作家が、Netflixとこのドラマの脚本家で監督のアダム・マッケイを著作権侵害で訴えた。Netflixは、これまで数多くの類似した訴訟に直面してきたが、その多くは棄却されたり、法廷外で和解になったりしている。

作家のウィリアム・コリアーは先週、Netflixとマッケイらが彼の著書の『In Extremis, Two Novels』のプロットを盗んだとして、カリフォルニア州の連邦裁判所で訴訟を起こした。コリアーは、自身の娘に同書を送ったが、その当時の娘の勤務先がマッケイがマネージャーを務める制作会社だったという。

コリアーによれば、2007年に彼が娘に送った物語のプロットやテーマは、マッケイが2019年に執筆したとされる『ドント・ルック・アップ』の脚本と類似しているという。

Netflixは、過去にもドキュメンタリーシリーズの『究極のペテン師: 人を操る天才たちの実像』から大ヒットドラマの『ストレンジャー・シングス 未知の世界』まで、さまざまなプロジェクトで著作権侵害で訴えられている。

Netflixのリアリティ番組『サバイバー: 宿命の大統領』の元出演者は今年初め、Netflixと制作会社を著作権侵害で訴えた。ジェルベーゼ・ピーターソンとされるその人物は、Netflixの別のリアリティ番組『お宝キング~ゴールディン流オークション術』のアイデアが、自身がオークションハウスで働いていたときに米国著作権局に登録したものだと主張している。

ジェフリー・ケネディが所有する制作会社アイリッシュ・ローバー・エンターテインメントは、Netflixの『ストレンジャー・シングス』のクリエイターのマット・ダファーとロス・ダファー兄弟が、自身の脚本からキャラクターやプロット、台詞、テーマを盗んだと主張してNetflixを訴えた。

しかし、Netflixはこの作品のプロットがあらゆる面でケネディの作品とは異なると主張し、ケネディは8月にこの訴訟を取り下げることに同意した。

マンハッタンの悪魔崇拝寺院は2018年に、Netflixのドラマ『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』で描かれたヤギの頭をしたバフォメット像が、同寺院のものと酷似しているとして5000万ドルを要求したが、この訴訟は法廷外で友好的に決着し、同寺院の名前は番組のクレジットに記載された。

フォーブスは、『ドント・ルック・アップ』の訴訟の件でマッケイとNetflixにコメントを求めたが、即座に回答は得られなかった。

ハリウッドの制作会社が著作権侵害で訴えられることはよくあるが、スタジオに対する訴訟の多くは最終的に失敗に終わっている。作家や脚本家が著作権侵害で訴訟を起こす場合は、原告側に所有権があることや被告が原作にアクセスする手段を持っていたこと、そしてその盗用作が実質的に類似しており、2人の人間が単に同じアイデアを思いついただけでは不可能であることを証明する責任がある。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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