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2023.10.19 17:00

ネトフリが予想上回る900万人の純増、株価は10%以上急騰

安井克至

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ネットフリックスが10月18日発表した第3四半期(7~9月)決算は、利益とユーザー数の伸びがウォール街の予想を上回り、さらなる値上げを発表したことを受けて株価は急上昇した。
 
3カ月間の売上高は85億4000万ドル(約1兆2800億円)と、市場予想とほぼ一致し、1株当たり利益は3.73ドルで、市場予想の3.49ドルを上回った。さらに、有料会員の純増数は市場予想の608万人を大きく上回る900万人で、全世界の有料会員数は2億4720万人に達した。
 
ネットフリックスの株価は、18日の日中に約3%下落したが、決算発表後に10%以上急騰し夜間取引で380ドルを超えた。同社は、米国で広告なしのベーシックプランとプレミアムプランの月額料金の引き上げも発表した。ベーシックは月額9.99ドルから11.99ドルに、プレミアムは同19.99ドルから22.99ドルに値上げとなる。
 
ネットフリックスの株価はこの3年間で乱高下しており、パンデミックの初期には2倍以上に上昇したが、2022年の上半期には会員数が10年以上ぶりに減少に転じたことを受けて、半年で75%も急落していた。
 
同社はその後、パスワード共有を取り締まり、広告付きの安価な料金プランを開始したことで会員数を再び増加させ、株価を回復させた。今夏のハリウッドのストライキの際に、ネットフリックス株は当初上昇したが、これは同社が抱える豊富なコンテンツの量が競合に比べて有利に働くとアナリストが予想したためだった。
 
エリック・シェリダン率いるゴールドマン・サックスのアナリストは先週の顧客向けメモで、ネットフリックスの株価が勢いを失ったのは、収益の伸びに関する「投資家の懸念」が原因だと指摘した。ネットフリックスの株価は過去3カ月で約25%下落したが、年初来では20%以上の上昇を維持している。
 
バーンスタインのアナリストのローレン・ユーンとマーク・シュムリックは今月初めのメモで「ネットフリックスは現在、多くの市場において、長期にわたり利用可能なサービスとして、ユーティリティに近い存在となっており、成熟しつつある企業がどのように成長し続けるかという課題を抱えている」と述べていた。
 
ネットフリックスの時価総額は18日の終値ベースで1530億ドルで、レガシーなライバル企業であるディズニーの1550億ドルを僅差で下回っている。同社の時価総額は2021年後半のピーク時に3000億ドルを超えていた。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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