宇宙

2023.12.11 17:00

ふたご座流星群と珍しいベテルギウスの「金環食」が起きる、今週の夜空

オリオン座の赤色超巨星ベテルギウス(Getty Images)

オリオン座の赤色超巨星ベテルギウス(Getty Images)

2023年最後の新月を迎える今週は、星空鑑賞がしやすくなる暗い空が訪れる最後の週でもある。さらに今週は、赤色超巨星ベテルギウスの珍しい「食」から、今年最高の流星群であるふたご座流星群の極大(ピーク)まで、特別なイベントがいくつかある。

今週の星空鑑賞と夜空について知っておくべきことのすべてを以下に紹介する(日時は別途記載がなければ日本時間)。

12月12日火曜日:ベテルギウスが小惑星に隠される

米国東部標準時12月11日午後8時17分頃、オリオン座の明るい赤色超巨星ベテルギウスが、東の空で小惑星の陰に隠れて視界から消えるとSky & Telescopeはいう(訳注:日本では残念ながら見ることができない)。それは数十年に1度の珍しい現象であり、レオナ(319 Leona)と呼ばれる小惑星が、ベテルギウスの前を横切り、数秒間その光を遮って地球の表面に陰を落とす。「リング・オブ・ファイヤー」(金環食)になる可能性もある。しかし、見ることができるのはアジアから南ヨーロッパを通ってフロリダとメキシコに続く狭い地域からだけだ。詳しい情報はここここにある。

12月13日水曜日:新月と水星逆行

13日午前8時32分、月は地球と太陽のほぼ中間に入り新しい月齢期間が始まる。新月を見ることはできないが、その後、まもなく日没後の空に繊細な三日月となって現れる。

この日から2024年1月2日まで、水星は「見かけの逆行期間」に入り、空をこれまでと逆方向に動くように見える。この現象は、太陽を周回する公転周期が水星と地球とで異なるために起きる。水星は地球に近づき、背景となる星々に対する速度が遅くなり、地球が追い越すと水星は逆方向に動いているように見える。これは自分が追い越したクルマが後ろ向きに動くように感じるのと同じだ。単なる視点の問題であり、人類に対する水星逆行の影響は一切ない。

12月15日金曜日:ふたご座流星群が極大

ふたご座流星群は15日に極大となり、北半球ではさまざまな色の流れ星が1時間に最大150個ほど見ることができる。空が晴れていることは必須で、暗ければなおよい。幸いなことに月は完全に不在だ。さらに、寒い夜遅くに立っていたくない人にとって、見かけ上の出現場所(放射点)が存在するふたご座は、暗闇が訪れるとともに空高く昇って見やすくなる。必要なのはあなたの肉眼だけ。双眼鏡や望遠鏡で見るのは困難だ(訳注:日本では15日午前1~3時頃に多く見られることが予想される)。

今週の天体:マゼラン雲

今週、南半球は 大マゼラン雲と小マゼラン雲(LMCとSMC)を見る絶好の機会だ。天の川銀河を周回する2つの矮小銀河は、それぞれ地球から16万光年と20万光年離れている。これらの銀河は、ポルトガル出身の航海者・探検家で1519年から1522年にかけて初めて地球一周に成功したフェルディナンド・マゼランにちなんで名づけられた。マゼランはその航海中に死去した。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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